REGZA Phoneから最新機種まで――「arrows先生」と振り返る富士通のAndroidスマートフォン素直に振り返ってこその「歴史」(3/4 ページ)

» 2016年03月30日 17時30分 公開
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バッテリー容量を増やしたハイスペックARROWS しかし……

先生 S内も落ち着いたところで、授業を続けよう。2012年7月に、F-05Dの後継機種として「ARROWS X F-10D」が、ISW11Fの後継機種として「ARROWS Z ISW13F」が登場したのは知っているな?

F山 はい。スリープスイッチを兼ねた「スマート指紋センサー」を搭載して、富士通のケータイで人気だった、指定したデータを非表示にできる「プライバシーモード」が復活したんでしたよね。

先生 そうだ。そして、何といっても3Dグラフィックの描画に定評のある4コアプロセッサを採用したことが大きな特徴だ。バッテリー容量は1800mAhに向上するなど、スペック面での改善も怠ってない。おくだけ充電にも対応していて、利便性も高めた。先生も、発売日にF-10Dを買ったぐらいだ。

S内 先生、お金持ちですね。

先生 お、S内、ちょっと元気になったな。まあ、先生はいろいろ切り詰めてarrowsに愛をささげているからね。

M谷 でも、この2機種、「カイロ(懐炉)」って呼ばれていたような……?

S内 (しょぼーん……)

先生 S内がまた落ち込んでしまった……。

 とりあえず、M谷が言っているのはF-10DとISW13Fの発熱問題だな。この2機種は、先ほども言ったように、3Dグラフィックの描画に定評のある4コアプロセッサを採用した。しかし、このプロセッサの制御に問題があったせいか、処理が立て込んでくると消費電力が増えてバッテリーを中心に熱を持つ、という問題が発生してしまったんだ。消費電力が増えた、ということは、バッテリーの消費も早くなるという問題も発生した。人によっては、突然電源が切れたり再起動したりという不具合につながったケースもあるようだ。

F山 それはさすがにマズいですよね……。

先生 その通り。そこで、富士通は事実上の後継機種である「ARROWS V F-04E」でハードウェアとソフトウェア両方に抜本的な改善を加えた。ハードウェア面では、放熱方法の見直しと、バッテリー容量を2420mAhに向上した。ソフトウェア面では、主にプロセッサ制御を最適化して、消費電力を抑制した。その結果、動作は非常に安定し、過剰に熱くなることもなくなり、稼働時間も延びた。先生の中では「ベスト・オブ・arrows」の1つに入っている機種だ。

 ちなみに、F-10DではAndroid 4.2へのバージョンアップ時にF-04Eと同様のソフトウェアの最適化を行っている。そのため、Android 4.2になったF-10Dでは、発熱問題とそれに起因する諸問題もある程度解決できている

M谷 ソフトウェアを変えるだけで、改善効果ってあるものなんですね。

先生 物理的にどうにもできないことはあるが、ソフトウェアで解決できることは大幅に改善できることがスマートフォンの良いところ。PCに通ずる部分があるな。

ARROWS X F-10DARROWS Z ISW13F ドコモ向けの「ARROWS X F-10D」と、au向けの「ARROWS Z ISW13F」。いずれの機種も、消費電力の大きさに起因する発熱問題に苦しんだ
ARROWS V F-04E ドコモ向けの「ARROWS V F-04E」は、F-10D/ISW13Fと同じプラットフォームを採用しながらも、さまざまな改善によって非常に安定した動作を実現した
語るarrows先生 「失敗をしっかり直視してこそ、愛は強まる」と語るarrows先生

安定性重視への方向転換

先生 F-10D/ISW13Fでの発熱問題は、ARROWSの方向性に変化をもたらすことになった。一言で表すなら「安定性重視」だ。

S内 安定性?

先生 そう。「全部入り」「ハイスペック」であることよりも前に、「安心できる」「使いやすい」ということを先立たせよう、という考え方だ。先に紹介したF-04E、あるいはauで発売した「ARROWS ef FJL21」は、ある意味でその先駆けだな。

F山 2014年6月に発売した、「ARROWS NX F-06E」が、安定性重視路線の始まりですか?

先生 そう。さすがF山だ。F-06Eは、パフォーマンスと省電力を両立できるプロセッサを採用し、バッテリーをさらに大容量の3020mAhに向上させて、以前のARROWSと比べると長時間使えるようになったんだ。「ブルーライトカットモード」「スライドディスプレイ」や「ふせたらサウンドオフ」など、実際に使う上で便利な機能も強化している。

M谷 でも、バッテリーが増えた代わりに、取り外せなくなっちゃったんだよなぁ……。

先生 バッテリーの容量が大きくなると、安全性を確保するために、ボディーはしっかり作らないといけないし、当然その分だけ重たくなる。スマートフォンで使われているリチウムイオンバッテリーは、強い衝撃が加わることで発火する恐れもある。容量を増やしつつ、重さを抑えて安全性を確保しようとすると、あえて取り外せなくすることも1つの選択肢になるんだ。

M谷 なるほど。

ARROWS NX F-06E 「ARROWS NX F-06E」は、ARROWSの方針転換の序章となった機種。ただし、若干「ハイスペック推し」が残っていた
先生の言うことを真剣に聞くF山くん 先生の言うことを真剣に聞くF山くん

先生 話をもとに戻そう。F-06Eは、確かに安定性重視路線の始まりなのだけれど、本当の意味での方針転換は……。

S内 「ARROWS NX F-01F」「ARROWS Z FJL22」「ARROWS A 301F」ですね!!!!!

先生 急に元気になったな、S内。その通りだ。これら3機種は、丸みを帯びたラウンドフォルムのボディーが特徴だが、それだけなら従来のARROWSでもあった。ポイントは“中身”だ。OSのユーザーインタフェース(UI)が黒基調から白基調に変わって、柔らかくなったことが大きな変更点だ。ボディーだけではなく、中身も“ソフト”になったというわけ。これら3機種で採用したUIの基本方針は、現行のarrowsまで続いているんだ。

S内 硬派なオレとしては、ちょっと残念な変更だった……。

先生 先生としては、FJL22と301Fを最後に、auとソフトバンクのarrowsが出ていないことがちょっと残念だな……。ただ、ソフトバンクは法人専用スマホとして「ARROWS M305」を2015年12月に出しているんだが、個人では買えないし……。

ARROWS NX F-01FARROWS Z FJL22ARROWS A 301F NTTドコモ向けの「ARROWS NX F-01F」、au向けの「ARROWS Z FJL22」、ソフトバンクモバイル(現・ソフトバンク)向けの「ARROWS A 301F」は、arrowsの歴史の中で一番大きな方針転換を果たした機種だ

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提供:富士通株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2016年3月31日

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