「iPhone SE」で格安SIMを使うときに気を付けたいこと通信速度も測ってみました(2/2 ページ)

» 2016年04月04日 20時10分 公開
[井上翔ITmedia]
前のページへ 1|2       

ポイント3:au回線の格安SIM固有の注意点

 この記事を作成する過程で、筆者はSIMロックフリーのiPhone SE(参考記事)とITmedia Mobile所蔵の格安SIMを使って設定と通信の検証を行った。

 設定に際して、ドコモ回線を利用する格安SIMではトラブルは特に発生しなかった。一方で、au回線を利用する格安SIMでは、設定や接続がうまく行かないことがあった。au回線の格安SIMでは、以下の事項にも注意しよう。

SIMカードの種類によっては“非対応”の可能性がある

 編集部では、「mineo」と「UQ mobile」のVoLTE非対応のSIMカードを契約している。これらのうち、mineoはVoLTE非対応のSIMカードでの動作確認がなされている。UQ mobileについては、電話とSMSの動作確認は取れているものの、データ通信は非対応となっている。

 実際に検証した結果、UQ mobileについてはさまざまな手を尽くしてもデータ通信を開始することができなかった。iPhone SEをUQ mobileのSIMカードと組み合わせることを検討している人は、素直に動作確認済みのVoLTE対応SIMカード(マルチSIM)で契約(再発行)することをお勧めしたい。

UQ mobile(VoLTE非対応)ではデータ通信できず UQ mobileのVoLTE非対応SIMカードでは、正しく設定してもデータ通信を開始できなかった
UQ mobileの動作確認表 UQ mobileでも、VoLTE非対応nano SIMでのデータ通信ができないことを確認済み。ちなみに、マルチSIM(VoLTE対応SIMカード)ではデータ通信もできる

 ちなみに、確認済みであるはずのmineoについても、最初はうまく接続できなかった。しかし、サポートサイトに記載されている「iPhone 6、iPhone 6 PlusでSMSがご利用できない場合」に書かれている通りに「すべての設定をリセット」して接続プロファイルを再導入してみたところ、正常に接続できるようになった。もしも、手順通りに設定しても接続できない場合は「すべての設定をリセット」してみよう。

VoLTE非対応SIMでの音声通話は要設定

 iPhone SEは、auが採用する「CDMA2000」という3G通信規格にも対応している。通話対応のVoLTE非対応格安SIMでも、安心して利用できる。しかし、iPhone SEの標準設定ではVoLTEが「有効」になっており、電話がかかってきても出ることができない。端末設定の「モバイルデータ通信」内にある「4Gをオンにする」を、「データ通信のみ」にすることを忘れないようにしよう。

VoLTE非対応SIMカードでは「データ通信のみ」にしよう VoLTE非対応SIMカードで音声通話をする場合は4G設定を「データ通信のみ」にすること

インターネット共有(テザリング)ができない

 iPhone SEではUSB・Wi-Fi(無線LAN)・Bluetoothを使ったインターネット共有(テザリング)に対応している。しかし、au回線を使った格安SIMでは、インターネット共有を有効にしようとすると、KDDIに問い合わせる旨が表示され、有効にできない。これは、VoLTE対応・非対応を問わずこうなる。PC、タブレットやゲーム機とネット接続を共有するつもりなら、ドコモ回線を使った格安SIMの方が無難だろう。

mineo(非VoLTE)でインターネット共有を有効にしようとしたら…… 通信可能となったmineo(auプラン)のSIMカードでインターネット共有を有効にしようとすると、KDDIに問い合わせるようにとのメッセージが出て有効にできない

通信速度を測ってみよう

 最後に、iPhone SEを使って通信できた主要な格安SIMの通信速度の計測結果を掲載する。使ったアプリは「RBB TODAY SPEED TEST」で、15〜16時の約1時間で3回連続で計測した平均値を掲載している。

  • ドコモ「spモード」(参考):下り10.87Mbps/上り3.81Mbps
  • au「LTE NET」(参考):下り51.8Mbps/上り5.26Mbps
  • OCN モバイル ONE:下り10.87Mbps/上り3.81Mbps
  • IIJmio:下り13.62Mbps/上り6.58Mbps
  • BIGLOBE LTE・3G:下り3.28Mbps/上り4.82Mbps
  • 楽天モバイル(rmobile.jp):下り13.43Mbps/上り6.33Mbps
  • mineo(auプラン・VoLTE非対応):下り41.79Mbps/上り:5.19Mbps

 「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」とは異なり、iPhone SEはキャリアアグリゲーションに対応していない。しかし、上記の結果を見る限り、端末としての通信性能は必要十分なものを備えているといえそうだ。格安SIMの通信速度については、月単位・時間単位で大きく変わりやすい。ITmedia Mobileの連載「通信速度定点観測」やクチコミなどを参考に、自分にピッタリなものを選ぶと良いだろう。

基本情報から価格比較まで――格安SIMの情報はここでチェック!→「SIM LABO

格安SIM、SIMロックフリースマホのすべてが分かる

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年