4万〜7万円台のハイエンドSIMフリースマホを徹底比較――基本スペック&持ちやすさ編最新スマートフォン徹底比較(1/3 ページ)

» 2016年04月06日 11時00分 公開
[島徹ITmedia]

 格安SIM市場の拡大に合わせて、SIMロックフリースマートフォンも低価格帯のモデルだけでなく、実売4万円以上する高価格帯モデルにも注目が集まり始めている。

 今回は、市場価格4万円〜7万円台のAndroidスマートフォン6機種の特徴と持ちやすさについて紹介する。いずれも、前回記事の3万円台(税別)よりも上の価格帯の製品で、多くが処理性能の高いハイエンドモデルだ。次回掲載の後半記事では、処理性能やバッテリーのベンチマーク、利用できるSIMや周波数帯について紹介する。

 取り上げる6機種は、Google(Huawei製)「Nexus 6P」、Google(LGエレクトロニクス製)「Nexus 5X」、ASUS「ZenFone Zoom(ZX551ML)」、ASUS「ZenFone 2 Laser (ZE601KL)」、Huawei「HUAWEI Mate S(以下、Mate S)」、HTC「HTC Desire EYE(以下、Desire EYE)」だ。まずは各機種の概要について見ていこう。※本稿の価格はいずれも税別。

最新スマートフォン徹底比較 上段右から、Google(Huawei製)「Nexus 6P」、Google(LGエレクトロニクス製)「Nexus 5X」、HTC「Desire EYE」。下段右から、ASUS「ZenFone 2 Laser(ZE601KL)」、ASUS「ZenFone Zoom(ZX551ML)」、Huawei「Mate S」

Nexus 6P:最新OSを搭載した大画面ハイエンドモデル

最新スマートフォン徹底比較最新スマートフォン徹底比較 Google(Huawei製)「Nexus 6P」

 5.7型WQHD(1440×2560ピクセル)の色鮮やかな有機ELディスプレイと、プロセッサにSnapdragon 810(2GHz/4コア+1.5GHz/4コア)を搭載。Xperia Z5など、大手携帯電話事業者が取り扱う最新ハイエンドモデルと同等の処理性能を持つ。NexusシリーズはGoogleによるAndroid OSのリファレンスモデル、開発機という位置付けで、OSは最新のAndroid 6.0を搭載。2017年11月までは随時最新OSへの更新が実施される予定だ。

 画面サイズは5.7型で本体もやや大きい。だが、iPhone 6s Plusの5.5型より大型にもかかわらず、重量178グラムに抑えた。アルマイト製メタルボディーにより、堅牢(けんろう)さや高級感もある。このほか、F値が2.0の明るいレンズを搭載した1230万画素カメラや、スリープ状態からほぼ一瞬でロック解除できる指紋認証センサーなど、他社の最新ハイエンドと同等かそれ以上の機能も搭載している。ただし、充電端子がこれから普及する5V/3A急速充電対応のUSB-C端子なのは注意が必要だ。外出先でバッテリー切れした場合、現時点では量販店やPCショップでしか対応ケーブルを取り扱っていない。

ココが○

  • 大画面かつ高解像度、発色もいい5.7型WQHD有機ELを搭載
  • 最新ハイエンド端末と同じSnapdragon 810を搭載
  • 指紋認証でセキュリティ保護とスリープ解除がラク

ココが×

  • 本体サイズが大きいので片手で操作しづらい
  • microSD非対応で保存容量を追加できない
  • 現時点では充電に必要なUSB-Cケーブルを入手しづらい

Nexus 5X:最新OSを搭載した手頃なサイズのハイエンド機

最新スマートフォン徹底比較最新スマートフォン徹底比較 Google(LGエレクトロニクス製)「Nexus 5X」

 5.2型フルHD(1080×1920ピクセル)液晶を搭載した、片手でも使いやすい手頃なサイズのNexus端末。OSは最新のAndroid 6.0で、前述のNexus 6Pと同じく2017年10月ごろまで最新OSへの更新が続けられる。指紋認証センサーや、5V/3A充電対応のUSB-C端子を搭載する点も同じだ。

 プロセッサはミドルクラス寄りのハイエンドCPU、Snapdragon 808(1.8GHz/2コア+1.4GHz/4コア)を搭載。ハイエンドとはいえないが、そのぶん4万円台後半と手頃な価格で購入できる。136グラムと軽量なのも魅力だ。ただし、NexusシリーズのAndroid OSは一般的なAndroidスマホと違ってUI(ユーザーインタフェース)がほとんどカスタマイズされておらず、充電用のUSB-Cケーブルも現時点では入手しづらいなど、初心者にはオススメしづらい部分もある。だが、スマホに詳しい人にとってはこれほど手頃なサイズで、最新OSを楽しめるSIMロックフリー端末はないだろう。

ココが○

  • 軽量コンパクトで片手でも使いやすい
  • 指紋認証でセキュリティ保護とスリープ解除がラク
  • 2017年10月ごろまで最新OSへの更新が保証されている

ココが×

  • 見た目と違ってスピーカーがモノラル
  • microSD非対応で保存容量を追加できない
  • 現時点では充電に必要なUSB-Cケーブルを入手しづらい

ZenFone Zoom (ZX551ML-BK128S4):3倍光学ズーム対応カメラを搭載

最新スマートフォン徹底比較最新スマートフォン徹底比較 ASUS「ZenFone Zoom (ZX551ML-BK128S4)」

 アウトカメラに屈折光学系の3倍光学ズームを搭載。一般的なスマホのデジタルズームは画質が落ちるが、ZenFone Zoomの光学ズームは被写体をアップにして撮影しても画質劣化がない。また、光学手ブレ補正や半押しでフォーカスロックできるシャッターボタンも搭載。写真撮影にこだわりのある人にとっては、コンパクトデジカメと同じように撮影を楽しやすいモデルだ。

 5.5型フルHD(1920×1080ピクセル)液晶と、プロセッサにIntel製のAtom Z3590(2.5GHz/4コア)を搭載。採用例の少ないプロセッサだが、性能は高く高画質な3Dゲームも快適に遊べた。

 ZenFone Zoomにはプロセッサと内蔵ストレージ、本体カバーの素材別で4種類のモデルが用意されている。今回紹介するのは6万8800円の最上位モデルで、高性能プロセッサのAtom Z3590(2.5GHz/4コア)に128GBストレージ、革製パネルを搭載する。Atom Z3590を搭載しているのはこの最上位モデルだけだ。本体価格を安く抑えたい場合は、4万9800円でプロセッサがAtom Z3580(2.33GHz)、ストレージ32GB、樹脂製カバーの低価格モデルという選択肢もある。

「ZenFone Zoom」のモデル
価格 CPU 背面外装 ストレージ
ZenFone Zoom (ZX551ML-BK32S4PL)
ZenFone Zoom (ZX551ML-WH32S4PL)
4万9800円 Intel Atom Processor Z3580(2.33GHz/4コア) プラスチック 32GB
ZenFone Zoom (ZX551ML-BK64S4PL)
ZenFone Zoom (ZX551ML-WH64S4PL)
5万5800円 Intel Atom Processor Z3580(2.33GHz/4コア) プラスチック 64GB
ZenFone Zoom (ZX551ML-BK64S4)
ZenFone Zoom (ZX551ML-WH64S4)
5万9800円 Intel Atom Processor Z3580(2.33GHz/4コア) プレミアムレザー 64GB
ZenFone Zoom (ZX551ML-BK128S4)
ZenFone Zoom (ZX551ML-WH128S4)
6万8800円 Intel Atom Processor Z3590(2.5GHz/4コア) プレミアムレザー 128GB

ココが○

  • 光学3倍ズームと光学手ブレ補正搭載カメラ
  • 専用シャッターボタンを搭載し、マニュアル撮影にも対応
  • 背面素材に手触りの良いプレミアムレザーを採用

ココが×

  • 分厚い形状や重量バランスのせいで持ち心地が悪い
  • カメラ重視端末としては、液晶の明るさや発色が物足りない
  • 高性能CPU搭載で低価格モデルという選択肢がない。

ZenFone 2 Laser (ZE601KL):大画面6型のミッドレンジスマホ

最新スマートフォン徹底比較最新スマートフォン徹底比較 ASUS「ZenFone 2 Laser (ZE601KL)」

 SIMロックフリースマホとしては最大級とな、6型の大画面を搭載したモデル。ZenFone 2 Laserには低価格な5型液晶を採用したZE500KLもあるが、今回紹介するZE601KLは画面サイズもCPUも異なるほぼ別物の端末だ。

 特徴は4万1800円で、6型の大画面かつSnapdragon 616(1.7GHz/4コア+1.0GHz/4コア)を搭載したミドルクラスのスマホを購入できる点だ。この価格帯では珍しくTD-LTEにも対応しており、Y!mobile SIMとの相性も良い。最新ハイエンドほどではないが性能に余裕があるので、大画面で電子書籍や動画を楽しんだり、ナビアプリを利用するのに便利な端末だ。

ココが○

  • 大画面で電子書籍や動画を快適に楽しめる
  • ハードキー採用で6型の画面を全て使える
  • バッテリーの交換ができる

ココが×

  • 本体が大きく厚さ最大10.55ミリで気軽に持ち歩きにくい
  • 重量190グラムは、スマホとしてはかなり重たい
  • 大画面なぶんバッテリーの持ちがやや悪い

Mate S:ビジネスシーンに合う、薄型メタルボディが魅力

最新スマートフォン徹底比較最新スマートフォン徹底比較 Huawei「Mate S」

 5.2型の色鮮やかなフルHD(1080×1920ピクセル)有機ELを採用した高画質モデル。プロセッサはHisilicon Kirin 935 (2.2GHz/4コア+1.5GHz/4コア)を搭載している。なお、後編でも触れるベンチマークでは、ミドル寄りハイエンド端末と同等の処理性能だった。

 本体にはラウンドエッジ加工を施した傷つきにくいGorilla Glass 4と、金属素材を採用。厚さ7.2ミリとスリムで、指紋認証センサーを使ったロック機能も搭載。全体的に高級感があり、ビジネスユーザーに向いた端末だ。ただ、本体価格は直販だと7万円台後半と性能の割に割高だ。楽天モバイルでは台数限定で1万5000円引きキャンペーンを実施しているほか、一部ショップでも値引きの動きが見られる。お得に購入したいなら、こういった機会を利用するといいだろう。

ココが○

  • 滑らかな表面処理のメタルボディーとガラスパネルを採用
  • 鮮やかなフルHDの有機ELを採用、映像表示が美しい
  • 指紋認証でセキュリティ保護とスリープ解除がラク

ココが×

  • 性能に対してやや割高な7万円台後半
  • Wi-Fiが5GHz帯のIEEE802.11acに非対応
  • 背面のCEシールがデザインを損ねている

Desire EYE:防水と高画質インカメラを搭載

最新スマートフォン徹底比較最新スマートフォン徹底比較 HTC「Desire EYE」

 海外メーカー製のSIMロックフリーでは珍しい、防水・防じんに対応したモデル。プロセッサにはSnapdargon800を採用し、最新ハイエンドには劣るがミドル寄りのハイエンドとして十分な性能を実現している。さらに、キャップレス防水でカバーを開かず充電できるほか、前面にステレオスピーカーも搭載。水場でも動画を迫力ある音で楽しめる。

 デザインは白と赤のスカーレットと、紺と水色のマリーンを用意。国内スマホには珍しいポップなツートンカラーだ。表面はスカーレットの場合サラッとした質感で、安っぽさも感じない。自分撮り(セルフィー)用に1300万画素のインカメラとツインLEDライトを搭載。水場での動画視聴からアウトドアでの撮影まで、さまざまなシーンで活用しやすい端末だ。

ココが○

  • 防水・防じん(IPX7・IP5X)に対応
  • 自分撮り用に1300万画素インカメラを搭載
  • QuickCharge 2.0の急速充電に対応

ココが×

  • バッテリーが2400mAhとやや少ない
  • 内蔵ストレージ容量が16GB
  • カメラなど一部UIはシンプルさに欠ける

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