―― 今、ユーザーはどのプランを選んでいるのでしょうか。やはり、3GBの3980円が多いですか。
寺尾氏 松竹梅とあって、まぁ、真ん中ですね。キャンペーンもやっているので、3980円で6GB使えますから。端末価格もあってちょっと分かりづらいですが、真ん中が一番お得に使えるようにはなっています。6GB、3980円で端末価格はゼロに近いですからね。
―― 2980円で1GBというのが、ちょっと少ないかなという印象を受けます。今後、容量を上げていくようなことはあるのでしょうか。
寺尾氏 上げていきたい気持ちはありますが、どうやるか。経営的な影響もあるので、単純に上げるのは非常に難しい。ただ、パケットマイレージもやっています。スマホプランMに入り、毎日Yahoo!を見ていただければ、500MBをもらえて3.5GBになります。これなら、ほぼストレスなく使えるのではないでしょうか。1日1回だけでいいので、チラっと見に行っていただければと思います。
また、僕もやっていますが、くじ引きで、1年に2回ぐらい、1GBプレゼントが当たることもあります。そういうところで、ちょこちょこと還元させていただいています。
―― 対MVNOで見たときに、サポートは強みになると思いますが、大手3キャリアに比べると、レベル的に少々厳しい印象はあります。こちらはいかがですか。
寺尾氏 はい。認識はしていて、考えているところです。本当は料金を安くしていることもあるので、オンラインでサポートできるようにしなければいけないのですが、そもそも(今の電話も)つながるまでの時間が長い。サクッとつながって、サクッと終わらない。つながるまでの時間や、サポート力については、非常にネガティブに捉えられていることは認識していて、そこは直していく必要があります。
内部的に言うと、合併した会社は大変で……。旧ウィルコム、旧イー・アクセスがいて、ソフトバンクがいる。今でもシステムがまだ完全統合できていないので、その中でどうベストなパフォーマンスを出すのか。入口の振り分けはもっとしっかりしていきたいと思います。
一方で、サポートのオペレーションコストは、原価にかなり跳ね返ります。その部分はネットでカバーしてどこまで充実させるか。ソフトバンクと同じレベルのサポートをやってしまうと、本末転倒ですからね。
Y!mobileが勢いを増しているのは、“ちょうどいい”料金やサービスを、ユーザーに提供できているからだ。対大手キャリアという視点で見ると、料金が安い。一方でMVNOより料金は高くなるが、店頭で端末を買うことができ、サポートも受けられる。また、スマホを買いやすくする施策も、しっかり行っている。多少の価格差よりも、トータルでの安心感が評価されているというわけだ。
とはいえ、MVNOもこの市場を虎視眈々(たんたん)と狙っている。端末やサポートを充実させ、価格をY!mobile並みに上げるところもで、出てくるだろう。寺尾氏が認めていた通り、SIMロックフリー端末と組みわせた販売は、まだまだこれから。Yahoo!と連携した新サービスも、準備していることがうかがえた。こうした部分をどこまで強化できるかが、Y!mobileの今後の行方を決めそうだ。
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