iPhone SEで注意したいのは、背面側と前面側で異なるカメラ性能です。
背面のiSightカメラは1200万画素で、iPhone 6sとほぼ同等の性能を確保しました。4Kビデオ(3840×2160ピクセル、30fps)、動く写真の「Live Photos」、720pで240fpsの滑らかなスローモーションなど、動画撮影の機能も充実しています。
iPhone 6sに比べて本体の側面がスクエア型で適度な厚みがあるので、構えるときにしっかりホールドしやすいのは、カメラ利用時におけるiPhone SEのメリットです。
一方、前面のFaceTime HDカメラは基本的にiPhone 5sと同じ性能で、画質も120万画素のままです。残念がる声もありますが、インカメラでは必ず画像加工アプリを使う自分にとっては、どちらにしろ“盛る”過程で画質が劣化するのであまり気になりません。
しかし、念のためインカメラの性能がどこまで盛ることに影響するか、iPhone SEでもちゃんと盛れるのか、3つの定番アプリでiPhone 6sと撮り比べてみました。
まずは「カメラ360」から。拡大するとさすがにiPhone SEの方が解像度が低いことが分かりますが、SNSでシェアするぶんにはまったく気になりません。アップする際にどのみち圧縮されますし、あまり神経質にならなくてもいいかなと感じました。
ここで、オシャレなフィルタがモデルやインスタグラマーに人気のカメラアプリ「VSCO」を組み合わせてみました。すると、もはやiPhone SEとiPhone 6sのどちらで撮影した写真なのかは分からなくなってきます。
次にプリクラ並みに盛れると評判のアプリ「Beauty Plus」です。顔をくしゃっとさせてもシワが最低限に抑えられ、さすがの修正効果ですが、iPhone SEは自動補正がのっぺりと不自然に見える気もします。しかしわずかな違いですし、十分SNSに耐えうる仕事はしてくれます。
ちなみに、カメラ360とBeauty Plusを何度か暖色系のライトの下で試したところ、ここで掲載しているサンプルのようにiPhone SEはより色白っぽく、iPhone 6sはオークルに近い自然な肌色に加工される傾向がありました。被写体の肌の色やシャッターのタイミングによって左右されるので、あくまで参考程度ですが。
最後は女子中学生や女子高生を中心に人気のアプリ「B612」です。無音モードだと画質が一気に落ちるので個人的にはあまり使いませんが、パッと見た印象では最もiPhone 6sに近い仕上がりになりました。
最後に「盛りは邪道」という人のために、純粋なiPhoneのインカメラ性能を見比べておきましょう。iPhone SEではiPhone 6sにも搭載された「Retina Flash」が採用されました。ディスプレイを通常より3倍明るいフラッシュで発光させ、暗所でも美しくセルフィーできる機能です。ただ光らせるだけでなく、「True Tone」フラッシュによって自然な肌のトーンを再現します。
Retina Flashならフラッシュ撮影時特有の不健康な写りを防ぐので、夜のおでかけの思い出を楽しい表情とともに美しく残すことができます。
なお、この1カ月でRetina Flashを使ったのは、記事の比較用に撮影した1回のみでした。「盛りたいときにフラッシュは使わない」がセルフィーのオキテなので、光のある場所を求めて移動するか、露出を上げてボヤっと写すようにして盛ります。
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