“格安”でも“過剰”でもない――「新しい立ち位置」を目指してサービス拡充を図る楽天モバイル(2/2 ページ)

» 2016年06月28日 21時30分 公開
[井上翔ITmedia]
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リアル店舗:代理店による「楽天モバイルショップ」も導入

 楽天は、ユーザーとの接点を増やすことを目的に、楽天モバイルのリアル店舗の設置を進めている。2016年内に100店まで拡大する計画をより進めるため、新たにゲオと提携し10月までに「ゲオショップ」「ゲオモバイル」の10店舗で順次取り扱いを開始する。また、販売代理店が楽天モバイルショップを運営する「パートナーショップモデル」を導入する。これらの取り組みにより、6月29日現在でリアル店舗は北海道から沖縄県まで計72店となる。

沖縄県初リアル店舗 6月28日に「エディオン 那覇メインプレイス店」(沖縄県那覇市)にオープンした楽天モバイルコーナー。沖縄県では初めてのリアル店舗となる
ゲオモバイルアキバ ゲオとも提携し、6月28日に「ゲオモバイル アキバ店」(東京都千代田区)で取り扱いを開始した。10月までに10店舗に拡大予定
初の代理店運営の楽天モバイルショップ 初の代理店運営ショップとして、ITX運営の「楽天モバイル 立川フロム中武店」(東京都立川市)が6月29日にオープンする
代理店運営ショップの2店舗目 ティーガイア運営の「楽天モバイル 池袋サンシャイン通り店」(東京都豊島区)も7月21日にオープン予定
6月29日で72店舗展開 6月29日で、計72店舗展開となる

サポート:「出張」だけではなく「リモート」も提供

 楽天モバイルの実店舗展開をしていく中で、予想以上にシニア層(65歳以上)の来店が多かったという大尾嘉氏。楽天が自社Web調査をしてみたところ、シニア層(65歳以上)の54%がMVNOサービスを利用したいと答えている一方で、スマホを使いたくても使い方に不安を覚ているために踏ん切りが付かない人も少なくないという実態も見えてきた。

 そこで、店舗が近くにない人を想定した「出張申込サポート」を5月23日に1都3県を対象に開始し、6月19日からは「ご自宅出張申込(設定サポート付き)」としてサービスの全国展開を開始した。

 さらに「物理的な制約をテクノロジーで超える」(大尾嘉氏)ものとして、「あんしんリモートサポート」を7月下旬から提供する。月額500円(「端末補償」とセットの場合は800円)のオプションサービスで、電話、チャット、リモート操作によってサポートを受けられるという。楽天モバイル以外のスマホ・タブレットやPCのサポートも受けられるという。リモート操作によるサポートはAndroid端末で利用できる予定だ。

リモートサポートも導入 「あんしんリモートサポート」も導入する(写真では「7月中旬より提供予定」となっているが、実際は7月下旬から提供予定)
専用アプリから電話を発信すると…… 専用アプリから電話を発信すると……
通話しながら操作サポートを受けられる 通話しながら操作サポートを受けられる

コミコミプラン:料金+端末代金をセットにすることで分かりやすさを重視

 従来から、楽天モバイルはSIMカードと端末のセット販売比率が高い。しかし月額料金と端末代金はあくまで「別」であるため、「全て込みの料金」に慣れている人を取り込めずにいた。

 そこで、「ZTE BLADE E01」「HUAWEI P9 lite」「arrows M03」の3機種を対象に、音声SIMと端末をパッケージ化した料金で提供する「コミコミプラン」の提供を開始する。

コミコミプラン 通信料金と端末代金が分離していることに違和感を覚える人を取り込むために「コミコミプラン」を導入

 過当競争とも言えるMVNO市場において、楽天モバイルは「音声通話に強い」「端末セットに強い」という特徴を補強するサービス拡充を矢継ぎ早に行っている。また、ユーザーとのタッチポイントをより多く設ける工夫にも余念がない。

 平井副社長は「そのうち事業者(MVNO)の淘汰(とうた)も始まるかもしれない」と語る。品質、サービス、ユーザーとのタッチポイントを三位一体で改善することで、楽天モバイルはMVNOという「荒海」を乗り越えようとしている。

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