日本のスマホ市場において、防水・防塵(じん)をサポートしているかどうかは重要な要素の1つだ。arrows M03は、IPX5/IPX8等級の防水性能とIP6X等級の防塵性能を有しているので、水場やほこりの多い場所でも安心して使える。また、富士通コネクテッドテクノロジーズが独自に高湿度条件下での利用も確認しているので、浴室などでの利用も一定条件を満たせば問題ない。
先代のM02と比べると、防水・防塵性能そのものは変わりないが、M03ではUSB端子のキャップレス化も実現した。充電をしたりPCと接続したりする際に、わざわざキャップを開ける必要がないので便利だ。
ただし、充電の際はUSB端子内部に水滴やほこりが入り込んでいないかどうかしっかり確認するようにしたい。水滴・ほこりが付いたまま充電すると、本体や充電器の故障の原因となる。
なお、M03のUSB端子は「USB OTG(On-The-Go)」に対応していない。USB外部機器(マウス、キーボードやポータブルアンプなど)は接続できないので気を付けよう。
富士通コネクテッドテクノロジーズは、フィーチャーフォン(ケータイ)が全盛の頃から音声通話の音質や付加機能にこだわりを持っている。arrows M03では、状況に合わせて受話音の自動調整を行う「スーパーはっきりボイス4」や通話相手の声をゆっくり再生する「ゆっくりボイス」を搭載している。
また、M03はデータ通信専用の通信規格であるLTEで音声通話を実現する「VoLTE(Voice Over LTE)」にも対応している。筆者が試してみた限りでは、NTTドコモ、au(KDDI・沖縄セルラー電話)、Y!mobileの各VoLTE対応のSIMカードでVoLTE通話ができた。通話相手が同じキャリア(MVNOを含む)かつVoLTE対応機種を使っている場合により音声が明瞭になる「高音質(HD)通話」も可能だ。
電話機能では「伝言メモ」(簡易留守番電話)にも対応している。M03は、スマホでも電話機能にこだわりたい人にはうれしい1台となるだろう。
昨今、話題のスマホの日本向けモデルが「FeliCa」を搭載したことが話題となっているが、arrows M03も「おサイフケータイ(モバイルFeliCa)」を搭載している。話題のスマホが対応する「Suica(モバイルSuica)」「iD」「QUICPay」だけではなく、「モバイルWAON」「楽天Edy」「nanacoモバイル」など、国内の主要なFeliCa電子マネーも利用できる。おサイフケータイを使ったクーポン・チケットサービスの一部にも対応している。
特に複数の電子マネー・クーポンを1台にまとめられることや、電子マネーのチャージを並ばずにその場でできることを始めとして、生活圏にもよるが、おサイフケータイは実際に使ってみると利便性の高いサービスだ。それを損なわずにSIMロックフリースマホに乗り換えられるという意味で、M03は現時点において有力な選択肢の1つだ。
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