審査員が選ぶ「2016年を代表するスマホ」は?(前編)スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2016(3/3 ページ)

» 2016年12月28日 17時30分 公開
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村元氏:カメラで競い合う一方で、ユーザビリティには改善の余地あり

村元正剛氏 村元正剛氏

村元氏 2016年のスマートフォンは、カメラの性能を競い合っていたので、HUAWEI P9をまず挙げました。個人的にも発売日に即入手したかった久しぶりの端末で、使う中での楽しさがあります。2015年までのHuaweiのスマホは、“価格の安さ”でヒットしている面があり、今年もそういう観点ではP9 liteという選択肢もありました。P9は、そういった安さではなく、「ライカのレンズを試してみたい」という理由で購入したんですよ。それが、使ってみるとライカの力だけでなく、Huaweiのこれまで培ってきたものも感じられました。ハイエンドのスマホが欲しい人に、iPhoneやGalaxy、Xperia以外に「新しい選択肢が増えた」という意味でも評価しています。

HUAWEI P9 Hyaweiの「HUAWEI P9」は、ライカと共同開発したカメラ機能

 「Xperia XZ」は、「Xperia X Performance」とスペック的には似ていますが、カメラが違っていて、XZのそれは相当色味が良くなっています。特に、木陰を撮るときはきれいに撮れます。サイズ感も良好で、日本メーカーのスマホを選ぶのなら「間違いのない1台」ではないでしょうか。

Xperia XZ ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia XZ」は、RGBC-IRセンサーの搭載によってホワイトバランスの正確さが抜群に良くなった

 性能を細かく見ると、Galaxy S7 edgeが1番なのでは、と思っています。しかし、本当はedgeではないモデル(Galaxy S7)も日本で出してほしかったと思います。エッジスクリーンの使い勝手についてはそれぞれ好みがあるわけなので。サムスンは(海外限定モデルも含めると)たくさんのラインアップを出せる力を持っているわけで、2015年はS6 edgeとS6の両方が日本でも出しましたが、2016年こそ、S7 edgeとS7の2機種を出すべきだったと思うのです。

 iPhone 7 Plusはカメラが楽しいのですが、5.5型のサイズ感ではやはり持ちにくい。個人的にはiPhone 7を買ったけれど、4.7型は4.7型で、今度は文字が小さい。迷った結果、7 Plusをノミネート候補として選びました。

 arrows M03はキャリアからSIMフリーに乗り換えた人でもスムーズに使えるスマホということで挙げています。2016年には、数多くのSIMロックフリーのスマホが出ました。それらを「取扱説明書」のような細かい部分も含めて見ると、人気のある機種でもまだまだ努力が必要だと感じることがあります。また、日本語入力システムとして「Google日本語入力」しか入っていないものもあります。Google日本語入力が悪い、というわけではないのですが、固有名詞の入力においては、どうしてもイライラする場面が多くなります。その点、arrows M03はジャストシステムの「Super ATOK ULTIAS」を搭載しているので安心です。一番キャリア端末に近いSIMロックフリー端末といえます。

房野氏:SIMフリーを追った1年 iPhoneは次の「8(?)」に期待

房野麻子氏 房野麻子氏

房野氏 振り返ると、キャリアのスマホよりもSIMロックフリーのスマホばかり見ている1年でした。格安スマホは“格安”ではなくなってきましたが、その代わりに使って快適な機種が増えてきたと思います。

 そんな中で、私がキャリア端末として唯一挙げている「Qua phone PX」ですが、これはキャリアが企画したオリジナル端末ということであえて選びました。そのような観点では、NTTドコモの「MONO」もありますが、12月発売なので今回は選べませんでした。Qua phone PXは、ガラスとメタル(金属)を使った端末が多い中で、プラスチック素材を使っているのでとても軽量です。ケータイ(フィーチャーフォン)みたいな感覚で使えるのが、今となっては逆に新鮮というか。デザインも昔の「au design project」や「iida」の雰囲気があって懐かしいんですよね。モバイルSuicaなど、「おサイフケータイ」を使うときにちょうどいいのです。

Qua phone PX au(KDDI・沖縄セルラー電話)がオリジナルブランドで発売した「Qua phone PX」は、過去のauのデザイン端末を思い出すような雰囲気が評判となった

 Galaxy S7 edgeも挙げましたが、これは皆さんが言っているように弱点をつぶして使いやすくなったことを評価しています。ただ、Suicaの反応がいまひとつだったり、急な発熱で電源が落ちたりといった弱点もあります。そんなことありませんか?(「ああー」と頷く人数名) だから、本当は2017年に発売されるであろう「Galaxy S8(仮)」シリーズに期待しています(笑)。

 あとはこれも皆さんがカメラを評価しているHUAWEI P9を挙げました。私自身はスマホのカメラにあまり関心が無かったのですが、P9で撮ると色合いが深くて、最近のスマホによくある「明るく撮れるカメラ」とは違っていいな、と思います。それとP9の動きはとても気持ちがいいんですよ。指紋認証のロック解除が速くて、今一番使っている端末です。

 Moto ZはMoto Modsを装着するときにマグネットで簡単にくっつくのがいいですよね。それでいて格好よくて面白い。iPhone 7はやはり皆さんが言うようにFeliCa、防水対応が良かったですよね。あと私はあまり使いこなせていないのですが、Mac(macOS)との連携も評価しています。デザインが変わっていないので新しさには欠けますが、これも次の「iPhone 8(仮)に期待しています(笑)。

石野氏 「8に期待って」便利な言葉ですね(笑)。

一同 (笑)。

Moto Z モトローラ・モビリティの「Moto Z」は、背面に「Moto Mods」を付けることによって機能拡張できることが評価された

 後編では、太田百合子氏、すずまり氏、らいら氏とITmedia Mobile編集部のコメントをご紹介します。また、審査会に出席できなかった山根康宏氏のコメントも別記事で掲載します。お楽しみに!

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