従来のMVNOサービスは、別にメインのMNO回線を持った上での「サブ回線」として選択されることが多かった。そのようなこともあり、契約プランも音声通話(場合によってはSMS送受信も)非対応であるデータ(専用)プランの選択率が高い傾向にあった。
しかし、その傾向に変化の兆しが見られる。MMD研究所が2016年10月に行った定点調査では、MVNOサービスをメイン回線として使っていると回答した人が全体の5.8%となり、1年前(2016年1月)の調査と比べて53%の伸びを示している(参考記事)。
この調査では、MVNOサービスを利用していると答えた人(5171人)を抽出して、主に利用しているサービス名のシェアも算出している。2016年10月時点でのトップは「楽天モバイル」の20.7%で、以下「OCN モバイル ONE」(13.5%)、「IIJmio」(9.2%)と続いている。
吉本所長によると、直近では「mineo」と「UQ mobile」のシェアの伸び率が大きいという。そのため、次回(2017年4月)の調査ではシェアの順位が変動する可能性がある。
同じ母集団を対象にその契約プランが「音声」か「データ」かを尋ねたところ、音声プランが53.8%、データ専用プランが46.2%とほぼ半々になったという。ただし、2016年に入ってから契約した人に絞り込むと、音声通話プランの比率が約70%にまで高まるという。
さらに、MVNOサービスの契約方法についても調査したところ、35.1%がY!mobileを含むMNOからMNPで契約したという。音声プラン契約者だけを抽出すると、その比率は3分の2以上(68.8%)にまで跳ね上がる。NTTドコモやソフトバンクを利用していた人はMNPで移行する傾向にあるが、Y!mobile利用者はいったんそれを解約してMVNOサービスを改めて新規契約する「解約新規」をする人が多い傾向にあることも分かったという。
音声プランの比率が高まり、MNP契約者が増えていることは、MVNOサービスをMNOサービスと並ぶ有力な選択肢として位置付ける人も増えているということだ。
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