どうなる? 2017年春(一部夏)の「WiMAX 2+」5分で知る最近のモバイルデータ通信事情(2/2 ページ)

» 2017年01月31日 08時00分 公開
[島田純ITmedia]
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下り最大440Mbpsは「バッテリー消費」に不利

 「下り最大440Mbps」はいいことばかりではありません。端末の電力消費が大きくなり、バッテリー持ちが悪くなるのです。

 下り最大440Mbpsが有効となる「ハイパフォーマンスモード」設定時の連続通信時間は、WX03で440分、W04では390分(ともにWi-Fi通信時)です。そのため、従来のモバイルルーターと同じ感覚で使うと、想像以上にバッテリーの消費が激しく感じるかもしれません。

 モバイルルーターの最大通信速度が上がるとバッテリー持ちが悪化する、という傾向は、UQの機種に限ったことではなく、他社のモバイルルーターでも同様です。より高速なデータ通信を利用できることは、もちろん歓迎すべきことですが、バッテリー持ちを重視したい人は通信モードの変更、Bluetoothテザリングの利用など、端末設定を工夫するようにしましょう。

WX03の省電力モード設定 WX03の省電力モード設定。「ハイパフォーマンスモード」以外にすると、通信速度は落ちるがバッテリー持ちが良くなる

「LTEオプション」を夏めどに無料化へ

 「LTEオプション」は、WiMAX 2+通信機器のうち「au 4G LTE」にも対応している機種についてau 4G LTEエリアでも使えるようにするオプションサービスです。事前の申し込みは必要なく、端末の通信モードを「ハイスピードプラスエリアモード」にするだけで利用できます。利用料金は月額1005円(税別、使った月のみ課金)です。

 このオプションはWiMAX 2+のエリアを補完することを主な目的としていますが、au 4G LTEの3波CAに対応する「SPEED Wi-Fi NEXT W03」では、より高速な下り最大370Mbps通信に対応するために必要なものでもあります(ただし対応エリアはごく一部)。

 現状、LTEオプションは「auスマートバリュー mine」契約者限定で無料提供していますが、UQは2017年夏をめどに無料提供の範囲を拡大する方針を示しました。

 その方法ですが、野坂社長は「具体的な方法については検討中」としたものの、既存ユーザーを含めて、何らかの条件のもとに契約を結ぶ(更新する)とLTEオプションが無料となる方向で調整しているようです。

 ただし、LTEオプションの無料範囲が広がった場合でも、同オプションを利用した際の「月間7GB」の通信量制限と、制限量を超過した場合の速度制限(上下最大128kbps)は変える予定がないようです。

LTEオプション無料化範囲拡大 2017年夏をめどにLTEオプションの無料化範囲を拡大

 以前も言いましたが、都内を中心に利用する限りでは、下り最大220Mbpsサービスが始まった2015年9月以降、電波状況が良ければWiMAX 2+の通信速度に強い不満を感じることはありません。しかし、地方都市を自動車で移動したり、都心を地下鉄で移動したりしている時にはWiMAX 2+の電波の弱さを感じることも少なくなく、場所によってはまだ圏外となってしまいます。WiMAX 2+はエリア面においてまだ「いつでもどこでも使える」という状況ではないのです。

 それを踏まえると、「LTEオプションの無料化範囲拡大」という一手は、WiMAX 2+の“アキレス腱”であるエリアを補完する意味では大いに歓迎できます。ただし、先日の通り、月間通信量の制限には変更はないため、「月間7GB」には相変わらず気を配る必要があります。この制限も「NO LIMIT」の心意気で何とかなるとユーザー的にはありがたいはずなのですが……。

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