2年ぶりのフルモデルチェンジ、「Infinity Display」に込めた思い 開発陣に聞く「Galaxy S8/S8+」(3/3 ページ)

» 2017年05月17日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]
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スマートフォンの新たな使い方を提案する「Dex Station」

―― ディスプレイにつなげるとPC風になる「Dex Station」ですが、これは、どのようなコンセプトで、どういったユーザーを想定しているのでしょうか。

キム氏 市場調査の結果、さまざまな方が複数の端末を持っていることが分かりました。1人が、PC、スマートフォン、タブレットなど、さまざまなマシンを持っています。これを作ることで、それらを1つ減らせないかと考えました。

Galaxy S8
Galaxy S8 PC風のマルチウィンドウ表示が可能な「Dex Station」

―― これはS8、S8+のチップセット性能が上がったからできたことなのでしょうか。

キム氏 はい。10nmのチップセットを搭載していますが、それによって実現しています。

―― 作業中、通知が頻繁にあると集中できないことがありますが、切ることはできますか。

キム氏 現在のバージョンでは、それができませんが、市場にそういう要望がありました。次のソフトウェアアップデートで適用する予定です。

Galaxy S8 同機能のコンセプトを語る、サービスPMグループのキム・ミンチョル氏

―― Windowsのデスクトップ風に見えますが、ファイルやフォルダを置けません。

キム氏 (アプリで作ったファイルへの)ショートカットは、出しておくことができます。ただ、B2Bだと、必ずWindowsアプリを使いたいというお客さまもいます。(Microsoftには)仮想デスクトップインフラストラクチャという機能がありますが、それを実装することで、リモートからWindowsを起動できます。これは、フルスクリーンモードでも起動します。

Galaxy S8 リモート接続を行うことで、Windowsも表示できる

―― 端末から直接ディスプレイにつなぐことはできないのでしょうか。

キム氏 技術的な制約により、Dex Stationを使用することで実現した機能です。理由としては、さまざまなポートを使用しなければならないからです。先ほど挙げた仮想デスクトップインフラストラクチャなどは、パケットの消費も大きいため、有線LAN端子も付いています。また、Dex Stationにはファンもあり、端末を冷却しながら利用できます。

Galaxy S8 本体背面には、有線LAN端子も搭載する

―― 大画面に出力してPCのように使うという機能は、MotorolaやMicrosoftが挑戦してきましたが、うまくいきませんでした。勝算はありますか。

キム氏 コンセプトをよく磨き、タイミングもいいと思っています。S8、S8+は端末のチップセットがとても優れていて、Androidも7.0からマルチウィンドウに対応しています。ですから、今はいいタイミングだと思っています。

―― 端末の販売数に対して、どのくらいの添付率でしょうか。また、なぜ端末に同梱しなかったのでしょうか。

キム氏 (グローバルで)発売したばかりなので詳しい数字は、まだ集計できていません。(同梱していないのは)必要な方もいますし、そうでない方もいるので、基本的には別売りのアクセサリーという扱いです。ただし、韓国では、S8+の128GB版を予約した方に、Dex Stationをプレゼントしています。

取材協力:サムスン電子ジャパン

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