ではXZsで新しく搭載された3層積層型センサーの威力を発揮する新機能の話へと行くべし。
その1つが「先読み撮影」機能。今回から採用された「Motion Eye」システムは常にセンサー内のメモリに捉えた画像をためている。でもシャッターを押されない限り、その画像データはどんどん捨てられていく。まあ全部保存されても困るのでそれでいい。
大事なのは、過去の数枚は常にカメラ内にあるってことなのだ。「先読み」機能は、撮影した瞬間、被写体が動いていると判断したら「自動的に直前に撮った写真」も一緒に保存してくれる機能。超賢い自動連写機能的に使えそうでしょ。
決定的瞬間! と思ってシャッターを押しても、人間のレスポンスが悪ければ間に合わない。どんなにカメラが速くなっても間に合わない。
欲しいのは、シャッターを押そうと思った瞬間の写真なのだ。「先読み」機能は「シャッターを押す前」の瞬間を記録してくれるので、それが可能なのである。それもカメラが判断して「4枚」だけ残してくれる。そこから一番いい瞬間を選べばいいのだ。
上の例だと、列車が踏切に入った瞬間を撮りたかった……のだが間に合わず(右下の「撮影時」)。でも先読み撮影した中にちょうどいい瞬間のがあった(左上の「先読み撮影1」)。というわけである。
使えるのは高速に動いている被写体や決定的瞬間だけじゃない。例えば人を撮るとき、記念写真みたいに直立してじーっとしてるとこばかり撮るわけじゃない。しゃべりながら撮ったり、何かしているところを撮ったりするじゃない。そういうとき、ヘンな顔した瞬間を撮っちゃったりしがちだが、被写体が動いていれば、「先読み撮影」が効くのである。
そうすると、後からこれを選べば問題ないのである。
この機能が素晴らしいのは、プレミアムおまかせオートで普通に撮っていればOKってこと。
「先読み撮影モード」なんてのに切り替えなくていい。そんなモードはない。カメラが勝手に「お、これは先読みデータも使った方がいいな」と判断して先読み画像を残してくれるのだ。これはよい。賢いカメラである。相変わらず連写機能はないけど、これでフォローできそう。
先読み撮影と関連してもう1つ。CMOSイメージセンサーにつきものの「ディストーション」(ゆがみ)である。ローリングシャッターゆがみともいわれる。高速で動く被写体、あるいはカメラを高速に動かしながら撮影すると、斜めに撮れちゃうヤツだ。
ゆがみを減らすには、センサーからのデータ読み出しを高速化してやるといい。実は昔に比べると、みなずいぶん速くなり、以前ほどは気にならなくなってきた。
iPhone 7 Plusなんてけっこう優秀だ。Xperia XZsは、それを上回るレベルに達しているのか? そこで撮り比べて並べたのがこちら。
同じ位置で撮影したので、より広角なXperia XZsの方が広い範囲が写っているけど、電車の扉を見ると違いがよく分かる。iPhoneの方はちょっと斜め、平行四辺形になってるが、XZsはそれがほとんど見られない。
XZsもゆがまないわけじゃないが、かなりよくなっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.