このような忠誠心の高いユーザーがターゲットになっていることもあり、イベントで発表された「Galaxy Note8」は、最先端の技術を結集させた製品に仕上がっていた。
大きな特徴は、3つある。
1つ目が、アスペクト比9対18.5の6.3型「Infinity Display」。Galaxy S8/S8+と同様に、ギリギリまで細くしたサイドの額縁と左右が湾曲したエッジスクリーンが相まって、あたかも映像が浮かんでいるかのように見えるディスプレイは健在だ。S8/S8+と同様にホームボタンを廃したこともあって、上下のベゼルも細い。しかも前面のカラーを黒に統一して存在感を薄くしているため、ほぼ全面がディスプレイのように見える。
ディスプレイの表示領域が広がったことで、Galaxy S8/S8+にはなかった、Noteシリーズならではのメリットも生まれる。映像が見やすくなったり、マルチウィンドウで2つのアプリを同時に表示させやすくなったりする点は共通だが、「Sペン」で文字や絵を書けるのはGalaxy Noteならではの機能。従来モデルよりも縦に広いので、書き込める範囲がより増えた格好になる。
発表会に登壇した製品戦略担当シニアヴァイスプレジデントのジャスティン・デニス氏は「Infinity Displayはゲームチェンジャーだ」と語っていたが、この点こそが他のスマホとGalaxyシリーズを大きく分ける特徴になった。しかも、Galaxy Note8では「Infinity DisplayにSペンの技術が融合された」(同)のだ。
そのSペンが、2つ目の特徴だ。Sペンのスペックそのものは、「廃盤」したGalaxy Note 7と同じだが、市場で販売され続けてきた「Galaxy Note5」と比較すると、スキャンレートが360Hzに上がり、応答速度などを含めた書き味は大きく向上している。Bluetoothでのペアリングや充電をする必要がない上、ペン先が0.7mmと細くて書きやすいのもSペンのメリット。タッチパネル側に特殊な仕組みを入れることで、4096段階で筆圧を検知することもできる。
「対Galaxy Note7」という観点で見ると、強化された部分はソフトウェアになる。ディスプレイを消灯した状態からすぐにメモが取れる機能は、ノートを100ページまで追加できるように進化。有機ELディスプレイの省電力性能を生かして時計やカレンダーなどを常時表示できる「Always On Display」と組み合わせて、ToDoなどのメモを画面上に張りつけておけるのも便利な機能だ。
Sペンの用途を単なるメモ以上に広げていこうとする意思も感じられた。新たに搭載された「Live Message」という機能を使うと、文字や絵を書くプロセスをアニメーションにして、スタンプのように友人や知人に送信することができる。写真の上に文字を重ねてもいい。キーボードから直接呼び出してメッセンジャーのいち機能のように使える工夫もある。スマホの本質がコミュニケーションツールであることを考えると、メモ以上に人気が出る機能になるかもしれない。
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