ユーザーの声に応えて進化――商品企画担当者が語る「Galaxy Note8」(2/3 ページ)

» 2017年10月04日 22時15分 公開
[井上翔ITmedia]

質疑応答

 Galaxy Note8についての機能説明が終わった後、ソ氏は日本の報道関係者との質疑応答に臨んだ。主なやりとりは以下の通り(一部順不同)。

電源回りは「万全」

―― Galaxy Note8の急速充電方式は何か。

ソ氏 S8/S8+と同じく「Quick Charge 2.0」「USB Power Delivery(USB PD)」「Adaptive Fast Charge(※)」に対応している。

※ Samsung独自の急速充電方式で、日本仕様のGalaxy S8/S8+では非対応

―― 過去に(電源回りで)不幸なことがあった。USB PDのように電圧を高めて急速充電をする方式だけに対応した方が安全性がより高まると思うが、電流を増やして急速充電をするQuick Chargeも採用した理由はどのにあるのか。

ソ氏 弊社では3つの急速充電方式いずれにおいても同等の安全性を確保するべく取り組んでいる。バッテリーの安全性を高めるために充電のアルゴリズムに工夫を加え、(Note7のバッテリー発火問題を受けて策定した)「8-point Battery Safety Check」において、バッテリー自体の耐久性チェックなども行っている。

担当者 既に同様のチェック体制を取っているGalaxy S8/S8+については、ある程度発売から時間が経過しているが、同じような事故は発生していない。このことは、弊社のチェック体制や制御アルゴリズムがしっかり機能していることを意味している。

 Note8もグローバル発売から2週間ほど経過したが(筆者注:インタビューは9月26日に実施した)、バッテリーに関する問題は発生していない。心配なくご利用頂けるものと考えている。

―― バッテリーの検査は、全数実施をしているのか。

担当者 製品に組み込む前に、全数検査を実施している。

8-point Battery Safety Check Galaxy Note7の問題を受けて策定された「8-point Battery Safety Check」。バッテリー全数に対し、を製品に組み込む前にこれらの項目のテストを実施しているという

「ペン」へのニーズでGalaxy S8+とのすみ分けはできる

―― 画面サイズがほぼ同じ「Galaxy S8+」が存在することで、「ファブレット(スマホとタブレットの中間サイズの端末)」としてNote8を買う人は減ると思う。純粋に「Sペンが欲しい」という人だけがNote8を買うことになるとも思うのだが、御社としてはそのような認識を持っているのか。

ソ氏 同じ大画面を求める人でも、S8+とNote8を求める人の特性は異なると考えている。Note8を求めるユーザーなら、生産性や創造性をより強く求めている。Note8においてApp Pairを搭載したことや、PENUPをバージョンアップしたことは、そのようなユーザーニーズに応えるためでもある。

―― Noteユーザーがより大画面を求めるのであれば、Note8の画面を(S8+との差別化要素として)もっと大型化する選択肢もあったと思う。検討はしなかったのか。

ソ氏 Note8では“Phone(電話)”を諦めたくなかった。「大画面」と「電話」とのバランス、「手に握った時の利便性」と「バッテリー容量」とのトレードオフなどを総合的に考えた結果、6.3型に落ち着いた。

―― 「ノート」として使うには、Note8は少し縦長すぎる気もするが、これで最適であると考えているのか。

ソ氏 ノートとして考えると、他のアスペクト比にも検討の余地はあった。しかし、スマホとして手に持った時のことを考え、あえて「18.5:9」とした。

「白」「赤」はグローバルでは不人気?

―― Note8は、グローバルでは4色展開となっている。ホワイトやレッドといった日本で人気のカラーは検討しなかったのか。

ソ氏 端末のカラーは、社内での検討や消費者リサーチを行った上でモデルごとに最適化している。このプロセスを経て、Note8では4色を(グローバルで)展開することになった。

 ただ、一定のニーズがあれば、色を追加することはある。例えば、あるモデルに一部の国でピンクを追加したこともある。

Galaxy S7 edge(White) Whiteの「Galaxy S7 edge」。日本では人気カラーの1つであるホワイト(白)だが、グローバル市場ではどうやらそうでもない模様

―― Note8は195gと、若干重たくなったように思う。従来の機種ではなるべく重量を抑えようという傾向にあったと思うのだが、今回はそう考えなかったのか。

ソ氏 画面が大きくなり、実装部品の点数が増えると重くなることは致し方ないと考えているが、継続的に軽量化への取り組みを行っている。

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