Apple Watch Series 3は、LTEや3Gといったセルラーに対応したことで、その利用シーンを大きく広げた。分かりやすいのは、ランニングやジムでのワークアウトのようなスポーツ中の利用かもしれないが、それ以外でも、ちょっとした外出に重宝する。例えば、家や職場の近所にあるコンビニに行くような場合、わざわざ充電中のスマートフォンを持ち出さなくても、Apple Watchさえあればよくなった。休日はあえてネットとは距離を置きたいというときも、Apple Watch Series 3の出番だ。実際、筆者もApple Watch Series 3を買ってから、近所に行くときはスマートフォンを持たなくなってしまった。
watchOS 4.1でApple Musicに対応したことで、そのコンセプトがより研ぎ澄まされた印象を受ける。休日、スマートフォンなしで外出するときも、音楽を聴きたくなることはあるだろう。そのようなときでも、Apple Watch Series 3さえあれば、Apple Musicの4000万曲という膨大な楽曲にアクセスできるというわけだ。watchOS 4.1によって、Apple Watch Series 3が、完成形に近づいたといいかえることもできる。
ただし、現状で全てのアプリがApple Watch単体で使えるわけではない。現状では、iPhoneとのペアリングを必須としているアプリも多く、セルラーを利用するには、開発者側の対応が必要となる。ジョルダンの「乗換案内」や、島津ビジネスシステムの「アメミル」、Yahoo!Japanの「Yahoo!防災速報」などは、セルラーだけでも利用できるが、これらだけで全ての利用シーンがカバーできるわけではない。
もちろん、全てのアプリがセルラーでの通信に対応しなければならないと主張したいわけではない。iPhoneと連携することで使い勝手がよくなるアプリもあるし、あまりに多機能だとApple Watch側で操作するのが面倒になってしまう。一方で、LINEをはじめとするメッセンジャー系のアプリは、もっとセルラーを活用してもいい印象を持っている。いちユーザーとしても、watchOS 4.1の登場を機に、サードパーティーアプリのセルラー対応がより進むことに期待したい。
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