毎月の楽しみが持てるよう、グルメギフトをIIJmio独自の施策とした採用した。「コンテンツを利用している方は、解約率が下がる傾向にある」(早坂氏)ため、グルメギフトを追加することで、さらに継続して使ってもらえるよう工夫したというわけだ。
グルメギフトは、セブン-イレブン、モスバーガー、KFC、サーティワンアイスクリームなど毎月3〜4店舗で、4〜5種類のギフトを受けられる。2カ月間は無料期間となっており、11月はセブン-イレブンで「じゃがりこ サラダ」、12月はKFCで「オリジナルチキン」を無料で交換できる。
商品と交換するには、スマートフォンの会員ページでバーコードを表示して、店頭のレジで見せればよい。ギフトと交換できる日は、SUPER FRIDAYが毎週金曜日、三太郎の日が「3」の付く日に限定されているが、取り放題.jp&グルメギフトならギフト取得後、翌月下旬まで好きなタイミングで交換できる。また一度に交換できる商品数はIIJの方が多い。これらはIIJならではのメリットだ。
グルメギフトがあるとはいえ、月額700円は、オプションサービスとしては高額だ。早坂氏は「最安で900円の通信費に対して、700円は高いのでは? という意見は社内でもありましたが、中身を見ると、きっちりと元が取れる、コストパフォーマンスのよいサービスだと思います」と言う。
2カ月の無料期間を設けたのも、「自分に合ったコンテンツだと納得して使ってもらえるよう」配慮したためで、「パラダイムシフトさんに無理を言って対応してもらった」(早坂氏)
IIJとしては、IIJmioを契約する際、取り放題.jp&グルメギフトへの契約が前提となるような「レ点営業」はもちろん行わない方針。「消費者保護ルールに関するガイドラインから逸脱するため、レ点営業は考えていません。説明して納得して使っていただけるよう、誠実にやっていきたいです」と早坂氏。
取り放題.jp&グルメギフトは、新規ユーザーの方が付帯するケースが多いそうだが、「既存ユーザーに対してもアプローチしていきたい」と早坂氏は意欲を見せる。通信料だけではは低ARPUになりがちだが、オプションの加入が増えれば、定額料分のARPUは増えるし、取り放題サービスをたくさん使って通信量が増えれば、1つ上のプランに乗り換えてくれるかもしれない。そうすれば、さらなるARPU向上につながる。
サブブランドの台頭もあって、IIJmioの契約純増数は鈍化傾向にある。他のMVNOでは「楽天モバイル」が個人向けではIIJmioを抜いて契約数1位に躍り出た(関連記事)。IIJmioがさらに成長するには、新しいユーザーの開拓が求められる。こうしたオプションサービスがその起爆剤になるか、注目したい。
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