では、実際に出てくるOEMの製品はどのようなものだろうか。今回のステージでは、COMPUTEX TAIPEIのタイミングで発表されていたASUS、HP、Lenovoの3社のローンチパートナーのうち、ASUSとHPの2社の製品が発表されている。
ASUSのAlways Connected PCは「ASUS NovaGo」の名称で、2-in-1型タブレットPCとなる。一般的なクラムシェル型のノートPCのようにキーボードからディスプレイを開いた状態での利用の他、LenovoのYogaシリーズのようにディスプレイを外側に360度開くことでタブレットPCとしても利用できる。
画面はタッチ入力に対応し、付属ペンを使ってのWindows Ink、タッチパッドに搭載された指紋認証センサーを使ったWindows Helloなど、多くの機能を満載している。Gigabit LTE対応のほか、22時間連続動画再生、30日間スタンバイなど、WoSならではの特徴も備える。だが最も驚くべきはその価格で、4GBメモリ/64GBストレージの製品が599ドル(税別)、8GBメモリ/256GBストレージの製品が799ドル(税別)と、搭載している機能に比して安価に設定されている点が大きい。
提供予定地域は米国、中国、台湾、イタリア、英国、フランス、ドイツとなっており、現在のところ日本は含まれておらず、この点で残念だ。
2社目のHPが投入する「HP ENVY x2」は、Surfaceタイプのキーボードカバーを着脱可能なタブレットPCだ。付属ペンによるWindows Inkのほか、角度調整可能なスタンドとして機能するキーボードカバーが用意され、ASUS NovaGoと同様にSnapdragon 835を搭載してLTEネットワークが利用できる。
バッテリー駆動時間は20時間とASUSよりも短いものの、6.9mm厚の薄型ボディーでこの持続時間を実現しており、より携帯性を重視している。同社はもともと2017年内投入は難しいと説明しており、今回のローンチイベントでも「2018年春」と述べている。提供地域や価格の発表も行われていないため、国内投入が行われるかを含めて続報を待ちたい。
このほか、今回のイベントでは携帯キャリアである米Sprint COOのGunther Ottendorfer氏が登場し、パートナーとしてAlways Connected PC向けに同社の「無制限データ通信サービス」を提供していくことを発表している。やはり料金プランなど詳細は不明だが、実際の製品投入のタイミングであらためて発表されることになると推察する。
そして、今回ローンチパートナーのうち唯一製品発表を行わなかったLenovoだが、同社は2018年1月9日(米国時間)にCESでのプレスカンファレンス開催を予告しており、ここで正式発表を行うことになるとAmon氏は説明している。いずれにせよ、発表自体は2017年内だったものの、これらWoSのAlways Connected PCが活躍するのは2018年前半以降となりそうだ。
さらにイベントでは米Advanced Micro Devices(AMD)のクライアントコンピューティング担当ジェネラルマネージャー兼コーポレートバイスプレジデントのKevin Lensing氏が登場し、同社のRyzenモバイルプロセッサを搭載したAlways Connected PCでQualcommのモデムチップを採用することを表明している。COMPUTEX TAIPEIではAlways Connected PCのモデム提供メーカーとしてはQualcommとともにIntelの名前が挙げられており、AMDでは競合上Qualcomm側を採用するという判断が働いたのだと考えられる。
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