2016年はその名前をすっかり聞かなくなったXiaomiだったが、2017年は劇的な復活劇を演じてくれた。第3四半期の出荷台数は2760万台(IDC調査)で、これは前年の実に2倍となる。単純に4倍すれば1億台を突破する。Xiaomiによると、2017年通年は9000万台をクリアする見込みだという。
コストパフォーマンスに優れたRedMiシリーズは大画面の「RedMi Note」を重視することで、中国のみならずインドでも販売数を伸ばした。また、フラグシップだった「Mi」シリーズは中核モデルという位置付けにし、初の自社開発プロセッサ「Surge S1」を採用した「Mi 5c」を1499元(約2万6000円)で発売している。このSurge S1は今後のXiaomiの製品開発にとって重要なプロセッサであり、製品のさらなる低コスト化が期待できる。スペック上はSnapdragon 625より高性能で、OPPOやVivoの売れ筋モデルに近いパフォーマンスを出せる。いずれはSurge S1搭載モデルがXiaomiの中核製品になるだろう。
このMi 5cのSnapdragon 625版といえる「Mi 5x」も登場。Miシリーズ最上位モデルの「Mi 6」はSnapdragon 835を採用するが、もはや高性能なプロセッサを搭載するだけでは消費者の目を引き付けることが難しくなったのだろう。Mi 5xはMi 6よりも販売は好調で、Xiaomi復活の原動力の1つにもなっている。
低価格モデルとしてはAndroid Oneを採用した「Xiaomi A1」をインドなどで発売。Xiaomi独自のエコシステムを展開している中国では自社開発のUI(ユーザーインタフェース)「MIUI」を各製品に採用しているが、中国外ではAndroidの採用が必須だ。Android Oneのエコシステムに乗ることはユーザーにもXiaomi製品を選ぶメリットを与えることができる。ハイエンドモデルはSnapdragon+MIUI、低価格機はSurge+Android One、そんな展開が2018年には見られるかもしれない。
XiaomiはOPPOやVivoほどセルフィーカメラに力を入れていなかったが、「Mi Note5」ではインカメラを1600万画素とし、いよいよセルフィー市場への反撃を開始した。Noteシリーズは大画面端末という位置付けだったが、ベゼルレスの「Mi Mix 2」の存在があることから、セルフィー端末へと緩やかに進化していく可能性もある。
Xiaomiの2017年を振り返ってみると、「価格や性能重視路線」から、ユーザーニーズを第一に考えた製品開発を進めたことが販売数増に結びついたと考えられる。第3四半期の結果だけで判断するのは早いかもしれないが、2017年はXiaomi完全復活の年といえるだろう。
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