―― 今回、「Qua tab」が2種類ある。世界的にタブレットのビジネスはかなり縮小している中で、なぜ採用したのか。日本独自の市場性があるのか。意図を知りたい。
山田氏 Qua tabに関しては、ここ最近1年に1回くらいのペースで出している。グローバルではタブレットが落ち込んでいる情報をわれわれも把握しているが、国内に限っては、急に需要が沈むといったようなことはないと思っている。家の中でも外でも使われており、お客さまのニーズに合わせた端末のリリースを今後も続けていきたい。
―― (nova 2やQua phoneのような)3万円くらいの端末となると、乗り換えプログラム(アップグレードプログラム)を適用しなくても、24回の分割払いで安く買えると思うが、そういう売り方はしないのか。
山田氏 お客さまがどちらを選ぶかだと思う。無理にこちらの方に持っていくというようなことはしない。
―― プログラムが必要ない人もいると思うが。
山田氏 そういう方は一括払いでお買上げということになるかなと思っている。
―― これまでも有害サイトに対するフィルタリング機能があったにもかかわらず、「あんしんフィルター for au」で、さらにフィルターを強化するようになった背景は何か(→「あんしんフィルター for au」機能拡充 iPhoneでも利用時間制限が可能に)。
山田氏 ここ最近、スマートフォンの低年齢化が進んでいると思っている。特にiPhoneは70%の中学生が利用している。かつ、親御さんから、子どもにスマホを使わせることが心配だという声をいただいている。特に使い過ぎを心配している。入学のシーズンに合わせて、さらに強固なフィルターを追加させていただいた。それと合わせて、青少年のネット環境の整備が2月にも新たに法律化される。子どもを守ることも大きな使命だと思っているので、そういったことも鑑みてフィルター機能を強化させていただいた。
―― スマホユーザーの低年齢化によってどんなトラブルが増えているのか。
金山氏 昨今、SNSを通じて犯罪に巻き込まれてしまうトラブルがニュースでも伝えられている。警察庁の統計によると、ネット犯罪に巻き込まれた被害児童のうち、約9割がフィルタリングサービスを使っていなかったという情報がある。こうしたトラブルを回避するためにも、ぜひ使っていただけるサービスにしていきたい。
―― あんしんフィルター for auに位置検索機能が入ったが、高校生には抵抗感があると思う。この場合、何か表示が出るのか。拒否することはできるのか。
金山氏 検索される子どもの端末には、検索されたということが画面上に表示されるようになっている。自分の知らないところで、親が勝手に自分の位置を検索することはないようになっている。高校生はあまり心配ないと思うが、今はかなりの小学生がスマホを持ち始めている状況なので、低年齢のお子様にはこうした機能があると親御さんは安心だと考えている。
―― 学割が例年より早くスタートしているが、その影響はや手応えは?
山田氏 学割は例年よりも1カ月くらい前倒し。世の中の流れがそうなっているのかなと思っている。数字は推定通り推移している。
―― 先週から一部で話題になっている、CPUの脆弱(ぜいじゃく)性の問題は、広く見るとARMも関係がある。スマホのアップデートも絡んでくるが、KDDIとしてはどのように対応していくのか。
山田氏 GoogleさんもAndroidの対応を明確にしていたと思う。基本的に、OSに関わるところがある場合は、OSアップデート、セキュリティパッチを可及的速やかに当てるということを、われわれは継続してやっていきたいと思っている。
―― メーカーが作ったものをKDDIがアプルーバル(承認)して提供していくことを速やかにするということか。
山田氏 パッチ自体はGoogleさんのパッチだと思うが、われわれは事前に検証して、(端末の)動きに問題ないということを検証してやらせてもらっている。
―― このアップデートが今回の脆弱性に対応するものだという、明確なメッセージは出すのか。
山田氏 1個1個のパッチがどれだというのは難しいと思っている。Googleさんも、ひと月に何十というセキュリティパッチを出している。それに1カ月ごとといった形で対応していくことになると思う。
―― 動画サービスがどんどん拡充しているが、ワンセグ/フルセグの需要に変化はあるか。
山田氏 若年層を中心に、テレビ視聴時間がかなり減っているというデータがあるが、30代以上、年齢が上に行くほど、まだまだテレビを見ている。日本特有の機能については、しっかり対応していきたいということで、今回、「Qua tab QZ10」にワンセグ/フルセグの機能を追加させていただいた。
―― ワンセグとNHKの受信料の問題で、今後、ワンセグの搭載はどう考えているのか。
山田氏 お客さまのニーズに対応してやっていこうと思っている。
―― 二子玉川の会社(楽天)がMNOになると、安い端末の競争環境はどう変わると思うか。
山田氏 これまでもそうだったが、モバイル市場の動きは非常に速い。今後もより一層、競争が激化して、市場の活性化をわれわれもできればいいと思っている。
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