―― 日本のユーザー要求が高いというのは、具体的にどのような面で高いのでしょうか? 競争が激化している中国市場の方がユーザーの目が厳しいようにも思いますが……。
張氏 われわれ端末メーカーからすると、品質に対する目はものすごく厳しいと認識しています。無線性能はもちろん、こん包箱にまで品質が求められます。また、これはキャリアにも関係することですが、サービスの質も重視されます。中国でも品質への要求はどんどん高くなっていますが、箱の材質や、箱の中のビニールにまでこだわることはありません。中国ではたくさんの端末メーカーがあり、競争が激しいのは事実ですが、違う市場と認識しています。
最近、新しい中国メーカー(OPPOと想定される)が日本に参入することがニュースにもなっていますが、われわれの経験から言うと、品質とコストは相反するもので、安く作ると品質は落ちます。ですので、大変な努力が必要だと認識しております。
―― 日本市場ではキャリア向けだけではなく、SIMフリーモデルも投入していますが、2018年も引き続き、SIMフリーモデルを発売する予定ですか?
張氏 日本市場においてキャリアビジネスが最重要であることは先に述べましたが、同時にオープンマーケットも重要だと考えています。市場の変化に伴い、日本のユーザーのニーズもグローバルに近づいています。そのニーズに応える製品を、高い品質で出していきたいです。また、そうしたニーズをキャリアモデルに反映したいとも考えています。
キャリアとのビジネスの中で、ZTEの知名度も少しずつ上がってきました。キャリアビジネスでの経験をオープンマーケットにフィードバックすることもできるでしょう。キャリア向けに発売したモデルを時期を空けて、オープンマーケットで提供することもできるのではないかと考えています。
―― 今回のCES 2018では5Gに関する展示も注目を集めていました。日本では、ソフトバンクと協力して5Gの研究開発を進めていますが、ソフトバンクと共同でスマホを開発する計画もありますか?
張氏 弊社が日本市場に参入して、最初に端末を出したのはソフトバンクでした(2010年の「かんたん携帯 804Z」/スマホでは2011年発売の「シンプルスマートフォン SoftBank 008Z」)。その後、ずっとソフトバンク向けの端末は出し続けています。一時期スマホは少なくなりましたが、モバイルルーターやキッズフォンは継続してリリースしています。5G向けでも、ソフトバンクと一緒に、新しい特徴もあるモバイル端末を開発・提供していきたいと考えています。
弊社は5Gに向けても、いろいろな企業と協力し、準備を進めています。システムやネットワークの分野で経験を持っていることに加え、Qualcomm社とも強いパートナーシップを持っています。システムと端末の両方で、世界をリードしていきたいと考えています。2020年に東京オリンピックが開催されますが、その際には、弊社も5Gのサービスや端末で貢献したいと考えています。
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