今回の取り組みに先立ち、KDDIとau損保は京都府と共同で、京都府庁の一角を使って「自転車ながらスマホ」に関する実証実験を行った。この実証実験は、ながら運転研究の第一人者である愛知工科大学の小塚一宏名誉・特任教授の監修のもと実施された。
実験は、被験者に「適切な運転(前方注視)」「ながらスマホ」「ながらスマホ+イヤフォン装着」の3パターンの運転をしてもらい、歩行者の「追い越し」「横切り」「すれ違い」に対する視線動向と反応を比較するというもの。実際の交通環境に近づけるため、自転車の走行コース(実験場)には「死角を作る自動車」「背後から人が出てきうる駐車場」「横から人が出てきうる自転車置き場」を再現した。
被験者はに「UNN関西学生報道連盟」に所属する大学生11人。そのうち9人のデータを使って分析を行った。
実験結果を分析したところ、ながらスマホは適切な運転時と比べて以下のような特徴があることが分かった。
自転車が時速10kmで走っていると仮定した場合、0.7秒認識が遅れれば約2m先に進んでしまう。小塚氏は「この2mの差が、かなり大きい」と語る。たった“2m”だが、このわずかな差が事故を防げるかどうかの分かれ目になるのだ。
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