開発陣に聞く「JOJO L-02K」(ACT3):docomoロゴを巡る「覚悟」、画集のような壁紙とは?(3/3 ページ)

» 2018年03月21日 10時00分 公開
[田中聡ITmedia]
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「画集」のコンセプトを打ち出した壁紙

―― 描き下ろしの壁紙も、ドコモさんからは内容についてリクエストは出さなかったんですよね。

鹿島氏 5部のイラストだというのも、直前まで分かりませんでした。最初は「連載中の作品が描かれることが多い」と聞いていたので、8部「ジョジョリオン」の(主人公である)定助かなと思っていました。

JOJO L-02K JOJO L-02Kのために荒木氏が描き下ろした壁紙

―― このイラストも、連載当時のタッチとは違いますよね。

鹿島氏 座っているのも斬新ですね。

津田氏 壁紙として表示する上で、もう少し大きな絵を描いていただいて、(スマホに内蔵するものは)左右をトリミングしているんですけど、箱ではトリミングされた部分を見られます。

 縦長のイラストを描いていただいたんですが、結果的にすごく面白いと思ったことがあります。僕らは画面の下にイラストを配置して、上に検索バーを置くことを想定していたのですが、出来上がったイラストは上に重心があって、検索バーやアプリアイコンを下に寄せたところ、すごくマッチしました。

―― 荒木先生はスマートフォンを使っているんでしたっけ?

津田氏 スマートフォンに関しては一定のご理解をいただいているようですけど、絵はこのサイズで映えるよう描いていただいています。

 壁紙については当初から「画集」のようなコンセプトを出していました。商品化する上で、入れたいイラストがあまりにも多すぎて、全部使いたいぐらいの勢いだったのですが、お客さんが向き合える画面は1つだけなので、それは使いこなせないよね、という。そこで、ページごとに異なる壁紙を用意して、ちょっとした画集のように、操作しながらいろいろな絵を楽しめるようにしました。

 例えば、デフォルトで「オールスター」というテーマが入っていて、メインの壁紙は第5部ですけど、歴代のジョジョたちが表示されます。L-06D JOJOのでは容量の都合もあって1部から8部まで網羅できなかったんですね。

鹿島氏 1部と2部で1つのテーマ、4部と8部は同じ杜王町ということで一緒にしていました。JOJO L-02Kでは、1部〜8部の8テーマに、2つを加えた10テーマを用意しました。追加の2つは歴代のジョジョたちが登場する「オールスター」と、ラスボスと主人公が登場する「ブラック&ホワイト」です。

JOJO L-02KJOJO L-02K 1〜8部+2つからなる計10種類のテーマを内蔵

津田氏 各テーマで4枚1セットを用意して、プチ画集のように楽しめるようにしました。第5部だと、画集「JoJo aーgo! go!」で描かれた、横に長い「レッツダンス」も採用しています。前回、「何で暗殺チームのコンテンツが少ないんだ?」というお声をいただいたので、暗殺チーム歓喜のイラストもあります。

 イラストと壁紙は違うので、壁紙としてアレンジしました。そこも荒木先生には細かく監修いただきました。

鹿島氏 L-06D JOJOはこういった比率(画面アスペクト比が4:3)だったので、もともとのイラストと比率が近く、あまりいじる必要がありませんでした。今回は(18:9で)上下が長くなったので、ある程度アレンジをして、スマートフォンならではの表現を検討しました。難しかったのが「バランス」です。絵と絵が重なり合ってきてしまうので、背景をあえて落としてスペースを空けるとか、引き算が必要でした。

津田氏 背景にアイコンやウィジェットを置きやすくすることは考慮しました。

鹿島氏 ホーム画面には仕掛けも用意しています。画面をオフ、オンすると、壁紙が少し変わるんですよ。4枚1セットと申しましたが、一番よくアクセスするのは最初の画面です。そこでも飽きないよう新鮮な感覚を提供したいということで、数パターン用意しました。

―― (第5部の背景が変わる扉絵を見て)これは、もともとなかった組み合わせですよね?

津田氏 はい。原画を組み合わせるという形で新たにアレンジしています。背景の色のコントラストや大きさなど細かいご指定をいただいて、新たな作品として生まれ変わったということです。

JOJO L-02KJOJO L-02K これは第5部のテーマ「黄金の風」の例。左がオリジナルのイラストだが、ロックを解除するたびに、異なる組み合わせのイラストが表示される

―― 1枚の壁紙につき、何パターンあるんですか?

鹿島氏 テーマによって若干違うんですが、数パターン以上はあります。

津田氏 (イラストの)変わり方もまちまちです。例えば4部は、もともとあった、同じイラストでカラーが違う2パターンをご用意しています。

鹿島氏 ジョジョリオンが面白いんですよね。シャボン玉が入っているキャラクターが変わっていく。単行本とウルトラジャンプで連作のイラストがあり、それをベースにしています。

津田氏 ずっと画面を眺めていたくなる。眺めているだけでも新鮮な発見があるようなアプリに仕上がっています。テーマとして使っているもの以外の壁紙も用意しているので、L-06D JOJOを超える、かなりの枚数になっています。

津田氏 ストレージは128GBということで、今期のスマートフォンの中でも最大クラスのものを搭載しています。

―― L-06D JOJOではコミックスをプリインストールしていました。今回は?

津田氏 コミックスは入れていません。前回からかなり時間がたって、カラー版もかなりの巻数があって、既に購入された方も多いので、同じことをやるよりは、他のコンテンツに注力することにしました。

 ちなみに、L-06D JOJOは電子書籍に適したサイズでしたけど、今回の方がむしろ(L-06D JOJOより)大きく電子書籍を表示できます。

―― あ、そうですか? でも、JOJO L-02Kの方が横幅は短いですよね。

津田氏 比べてみると、JOJO L-02Kの方が大きいです。それでいて、横幅は細くて持ちやすくなっているという。

JOJO L-02K 左がL-06D JOJO、右がJOJO L-02K。横幅はJOJO L-02Kの方が短いが、狭額縁設計によって、コミックスの表示領域はむしろ広くなっている。また有機ELの発色も優れていて視認性も向上している

―― L-06D JOJOは、いきなりこれでスマホデビューした人もいましたからね。

津田氏 L-06D JOJOは、まだスマートフォン自体が未成熟だったところがありました。バッテリーの持ちや動作などにストレスを感じていて、持ち運びしにくい形状でもありました。今回は、ベースモデルのV30+が非常によくできた端末なので、使いやすさを体感いただきたいと思います。

→T0 BE CONTINUED...

(次回は、月々サポート無しの理由、OSバージョンアップなどのお話を聞きます)

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