このアシスタント機能はユーザーが声で操作するだけでなく、ユーザーの状況に合わせてアシスタントが自発的にアシストする「デイリーアシスト」もある。ソニー独自のスマートセンシングプロセッサ「CXD5602」と、複数のセンサーにより、時間、場所、行動といったユーザーの状況を認識して、ユーザーの状況合わせて情報を提供するという。
例えば朝の通勤時に、日付、時刻、最新ニュースを届けたり、オフィス到着時にはスケジュールを確認したりできる。メッセージ受信時にはアナウンスされ、音声で返信が可能だ。
周囲の環境に合わせて、自動で音量を調整する「アダプティブボリュームコントロール」機能も搭載。駅のホームで電車が近づいたときなど、自動で音量が上がる。
Xperia Ear Duoの操作は、タッチパッドやヘッドジェスチャーで行う。Sonyのロゴがプリントされているタッチパッドをタップすることで、音楽再生とボイスアシスタントの呼び出しが可能。また、上下スライドで音量調節ができる。電話の着信時にはうなずくと応答し、音楽再生時は右に首を振ることで曲送りができる。Xperia Earと同様、ボイスアシスタントの日本語音声は寿美菜子さんが担当している。
なお、Xperia Ear Duoは複数の音声アシスタントに対応している。Androidスマホの場合はAssistant for Xperia、Clova、Google Assistant、iPhoneの場合はSiriが使える。
周囲の音とスマホからの音の両方を聴く新しいリスニングスタイル、ソニーのオーディオ技術によって培われた高音質、便利なスマート機能とさまざまな先端技術が搭載されたXperia Ear Duoについて、「ソニーの技術の集大成といえる製品」と八木氏は胸を張った。
Xperia Ear Duoを活用した法人向けの実証実験も行われる。JALの客室乗務員同士のコミュニケーションを効率化する目的で、グループチャット機能「Anytime Talk」の特別仕様アプリを提供し、4月下旬から機内で利用される。
また、体験会場の八芳園では、Xperia Ear Duoを活用した庭園案内を5月14日から18日まで実施。Xperia Ear Duoを装着し、庭園を巡りながら庭園ガイドの説明と鳥の声や音楽を聴くデュアルリスニングを楽しめる。
記者たちも庭園ミニツアーを体験することができた。庭園内の各所にビーコンが配置されており、そのビーコンをスマホ(Xperia)がキャッチするとXperia Ear Duoから音楽や案内、鳥の声などが聞こえてきて、ガイドの説明とともに楽しめた。
新しいリスニングスタイルを訴求するために、複数のプロモーションビデオを用意。WBC世界ライトフライ級チャンピオンの拳四朗さんや、ダンスチーム「DanceFact」がXperia Ear Duoを利用し、装着性の高さなどをアピールする。
プロモーション動画に出演しているプロボクサーの拳四朗さんは、「ランニングしているときに、周囲の音が聞こえて不安がない」「今までは走るときくらいしか音楽を聴かなかったが、これならボクシングをしているときでもずれない」と語っていた。また、会場ではDanceFactのメンバーが激しいダンスを披露していたが、Xperia Ear Duoが耳から落ちるようなこともなかった。
筆者がプロトタイプモデルをMWC 2017で体験したときは、耳のすぐ後ろでラジオが流れているという感覚だったが、今回の体験会で使った製品版では、もっと耳にダイレクトに音が届く印象で、音質の向上を感じた。八芳園の庭園巡りでは、美しい庭の効果もあってか鳥の鳴き声や環境音楽が非常に心地よく、スタッフの説明もしっかり聞くことができた。さらに、一緒に歩いた記者たちと会話もできるのが快適だった。
普通に歩いたり、階段を降りたり、軽く走ったりしたが、Xperia Ear Duo落ちるような心配も全くなかった。耳に取り付けるのがちょっと難しかったが、慣れれば素早く装着できるようになるだろう。周囲の音と音楽の「ブレンド」、デュアルリスニングをぜひ体感してほしい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.