打倒LINEは可能なのか 「+メッセージ」導入の狙いを読み解く石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2018年04月14日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]
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「打倒LINE」は可能なのか、+メッセージの今後

 +メッセージの魅力として分かりやすいのは、やはり電話番号でやりとりできるところだろう。職種にもよるが、仕事でのコミュニケーションをしている相手(同僚、上司、部下、取引先など)とは、LINEの“友だち”にはなりづらいという人も、少なくないだろう。

 電話番号だけでメッセージが送れるのは、いざというときに役立つはずだ。相手に電話がつながらないときでも、メッセージを送っておけるからだ。筆者も、待ち合わせにどうしても間に合わないときなどは、電車の中でSMSを送ったりすることがある。ただ、文章が途中で切れてしまったり、画像が送れなかったりと、SMSにはどうしても仕様上の古さを感じてしまう。このようなときに、+メッセージは便利なサービスになりそうだ。

+メッセージ 電話番号だけで送信できるほか、非利用者には招待メッセージも送れる

 実際、3社とも+メッセージをSMSの正常進化と位置付けており、「今、SMSをお使いの皆さまには、ぜひ手に取っていただきたい」(千葉氏)とアピールする。ターゲットとしては、「30代より上で、ビジネスに(SMSを)使っている方々。あとは、安心・安全を理解していただける方に訴求できると思っている」(藤間氏)。

+メッセージ SMSと同様、気軽に送れるのはメリットの1つになりそうだ

 その割にはアプリのデザインが“若い人向け”な印象も受けたが、まずは、ビジネス利用の多い、SMSユーザーに訴求していくというのが、ドコモとソフトバンクの見解だ。かつては1つのキャリア内に閉じて失敗したサービスも多かったが、+メッセージは「十分普及する余地はある」(藤間氏)。

 とはいえ、やはりLINEのユーザー基盤は厚く、スタンプなどのコンテンツや、LINE Payなどの資産にもひもづいているため、+メッセージが出たからといって、ユーザーがすぐに乗り換えるとは考えにくい。また、「それなりに準備があり、提供も検討している」(藤間氏)というが、MVNOやサブブランドでのサービス提供もめどが立っていない。iPhoneユーザーに、+メッセージのアプリをどうインストールさせるのかも、今後の課題になりそうだ。

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