続いてデザインについて見ていく。フレームの中心部を突起させることで手にフィットするようにした「エモーショナルエッジ」をAQUOS Rから継承しており、コーナーに行くに従って突起が緩やかになる。背面には3Dガラスを採用し、フチが適度にカーブしているので手に優しい。さらにR2のフレーム自体にもカーブをかけており、横から見ると、あたかも端末全体が弧を描いているように見える。
背面がガラスなのもAQUOS Rとの大きな違いだ。IoT通信事業本部 デザインスタジオ シニアデザイナーの芝田博和氏によると、ガラスの表面に金属のコーティングを施したことで、強く反射して、滑らかな光沢感が出るという。もちろん「フラグシップ機にふさわしい高級感」(芝田氏)が得られるという理由もある。ちなみにシャープのスマートフォンで3Dガラスを使うのは初めてとのこと。表はCorning Gorilla Glass 3、背面はCorning Gorilla Glass 5を採用して強度も確保した。
本体カラーは、プレミアムブラックとプラチナホワイトの2色は3キャリア共通だが、キャリア独自のカラーとして、ドコモ版はコーラルピンク、au版はアクアマリン、ソフトバンク版はローズレッドをそろえた。芝田氏によると、女性からの支持も得られるよう、女性に好まれる色を中心に選んだという。アクアマリンは2018年のファッションにおけるテーマカラーでもある。
AQUOS R2では、AQUOS Rで省かれた2つの機能が復活している。1つが「のぞき見ブロック」。かつては「ベールビュー」とも呼ばれていた機能で、斜め方向からの画面を見にくくする機能だ。「ディスプレイの視野角が広すぎて、のぞき見ブロックは省いた」(佐藤氏)が、「なぜ搭載していないのか」という声が、思いのほか多かったという。
「ベールビュー自体も搭載してから長い時間がたち、もうこなれた技術かな、なくなってもそれほど影響ないかなと思うところもありました」と佐藤氏は振り返るが、熱烈な要望があることが分かったので、復活させることにした。「広い視野角はそのままに、アルゴリズムをチューニングすることで搭載にこぎ着けました」と佐藤氏。
もう1つが「コンテンツマネージャー」だ。コンテンツマネージャーは、内蔵ストレージやmicroSDに保存した画像、動画、音楽、ドキュメントなどの各種データを管理できるアプリ。最近のスマートフォンAQUOSは、極力プリインストールアプリを減らしており、その一環でコンテンツマネージャーも省かれていた。
ファイル管理アプリはGoogle Playなどで多数配信されているため、搭載しなくても問題ないと考えたのと、「OSバージョンアップを約束していく中で、独自アプリが足を引っ張ることがある」(小林氏)という理由で外したが、これもユーザーから疑問の声が多く挙がったという。「ファンイベントでも、コンテンツマネージャーがないのは信じられないといった声があり、暴動が起きるんじゃないかというほどでした」と小林氏は苦笑いする。
コンテンツマネージャーはフォルダがないシンプルなUI(ユーザーインタフェース)が特徴で、本体とmicroSDのデータを切り替えたり、本体とmicroSD間でデータを移したりできるのが好評だという。AQUOS R2では、Android標準の「ファイル」アプリをカスタマイズする形でコンテンツマネージャーを復活させた。
動画専用のカメラが注目を集めやすいAQUOS R2だが、ディスプレイ、操作感、放熱対策、デザインなど細部にも工夫が凝らされていることが分かる。購入を検討している人は、ぜひ店頭などで実機に触れ、シャープが目指した快適さが本物であるかを確かめてほしい。
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