「iPhone XS/XS Max」先行レビュー カメラの進化に驚きも、A12 Bionicの真価はこれから?(2/3 ページ)

» 2018年09月18日 19時00分 公開
[石野純也ITmedia]

パフォーマンスは過去最高レベル、GPUも強化された

 iPhone XS、XS Maxに搭載されたA12 Bionicは、7nmの製造プロセスで開発された、世界初のスマートフォン用プロセッサだ。厳密にいえばHuawei傘下のHiSilicon(ハイシリコン)が「Kirin 980」を、独ベルリンで開催されたIFAで発表しているが、端末に組み込み、実際に発売までこぎつげたという意味では、世界初といって差し支えないだろう。

 まずは、このA12 Bionicのパフォーマンスを「Geekbench 4」で測定してみた。結果は次の通り。iPhone XSではシングルコアスコアが4826、マルチコアスコアが1万1608、GPUのパフォーマンスを測定するMetalスコアは2万804だ。これに対し、iPhone XS Maxはシングルコアスコアが4826、マルチコアスコアが1万1430、Metalスコアが2万2288となった。

iPhone XSiPhone XS Geekbenchで測定したiPhone XSのスコア
iPhone XSiPhone XS iPhone XS MaxもGeekbenchのスコアはほぼ同じだった

 スコアは両機種ほぼ同じで、CPUに関しては、iPhone 8、8 Plus、X世代のA11 Bionicと比べ、1割前後パフォーマンスが上がっているようだ。これに対してGPUのベンチマークスコアは飛躍が大きく、1万5000程度だった全世代に比べて、5割増しになっていた。公式でうたわれていた性能通りであることが証明された格好だが、どちらの機種も、GPUを駆使するゲームなどをプレイするにはうってつけの端末といえそうだ。

 ちなみに、どちらのモデルもGeekbench上の数値を見る限り、メモリ(RAM)は4GB搭載されているようだ。iPhone Xは3GBだったため、どちらのモデルも1GB増強された形になる。ディスプレイサイズに伴い、解像度も上げられたiPhone XS Maxのみ4GBになっているかと思いきや、iPhone XSも4GBになっていたのはうれしい誤算といえる。もっともiPhoneはメモリ管理が優秀なため、1GB増えたからといって体感の違いはないのだが。

iPhone XS 両モデルとも、メモリは4GB搭載されているようだ

 A12 Bionicには、これらのベンチマークでは測れない強みもある。それが、強化されたニューラルエンジンだ。基調講演で紹介された数値を改めて紹介すると、同エンジンのコア数は2つから8つへと4倍に増えており、1秒間の演算回数は6000億回から5兆回へと増加した。

 ニューラルエンジンはFace IDでの顔識別やアニ文字、写真アプリでの顔認識など、iPhoneのさまざまな機能に活用されているが、強化の恩恵を最も受けているのは、カメラにほかならない。なかでもポートレートモードの進化には目を見張るものがある。

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