UQコミュニケーションズが2009年2月から提供している初代「UQ WiMAX」が2020年3月31日をもってサービスを終えることになりました。このサービスで利用している電波の帯域を「WiMAX 2+」に転用することに伴う措置です。
初代WiMAXサービスは、特定サービスの通信を制限する「プロトコル制限」や、期間(直近3日間あるいは月間)によるデータ通信量制限などが一切ない“真の無制限”サービスで、大手携帯電話キャリア(MNO)がLTE(4G)サービスを開始するまでは通信速度面でも優位性がありました。
UQは2013年から、TD-LTEと互換性のある「WiMAX 2+」のサービスを開始。その高速化のために、2015年には初代WiMAXサービス用の電波帯域の一部をWiMAX 2+に転用しました。これに伴い、初代WiMAXの通信速度は下り最大40Mbpsから13.3Mbpsに引き下げられています。
WiMAXサービスの終了により、WiMAX 2+サービスでは合計50MHzの帯域を使えるようになるのですが、増える10MHz分によってどのくらいの通信速度向上があるのかという点は今のところ案内されていません。
今までもWiMAX 2+では「キャリアアグリゲーション(CA)」「4×4 MIMO」「256QAM変調の導入」といった高速化技術を導入してきました。当初は下り最大110Mbpsでスタートした通信速度は、現在では下り最大558Mbpsと、約5倍にまで高速化しました。
しかしながら、MNOのLTE通信サービスはそれよりさらに高速で、特にNTTドコモでは2018年冬・2019年春モデルの一部から下り最大1288Mbps・上り最大131.8Mbpsのサービスに対応します。理論値ではありますが、最高通信速度では遅れを取っているのが現状です。
UQは、WiMAX 2+サービスで月間データ通信量が無制限なプランを「ギガ放題」とアピールしていますが、これはあくまで「通信量」という意味でのギガ。ギガ放題を、速度的な意味でも「ギガ(級)」で使える日が来ることを楽しみに待っています。
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