今回は2019年前半にも米国でスタートする商用5Gローンチのアピール機会ということもあり、米VerizonのChief Network Engineering Officerでワイヤレスネットワーク担当長のNicki Palmer氏、米AT&Tシニアバイスプレジデントでワイヤレス製品マーケティング担当のKevin Petersen氏が登壇して、それぞれ両社での取り組みを語った。また英国からは、英EE/BTグループで5G担当エグゼクティブアドバイザーのFotis Karonis氏が登場し、同国でのローンチ計画を説明した。
5Gにおける従来の通信規格との最大の違いは、適用分野の広さにある。大容量通信かつ、低遅延で高品質なサービスを提供する5Gは産業界での活用が本格的に進む契機になるとみられ、特に工場やオフィスビル、倉庫等での自動制御や管理システムへの応用、自動運転車での利用など、次の10年〜20年のインフラの根幹を担うことになる。Qualcommを含む携帯キャリアのパートナー各社もその点を特に強調しており、産業界や社会インフラでの転換点となることに期待を寄せている。
イベントに登壇したAT&TとVerizonの2社のネットワークをアピールする理由もあり、基調講演後に開放された2つのデモブースでは、それぞれAT&TとVerizonの5G基地局を模した環境が用意され、実際に両ネットワークに対応した端末を使ったライブデモを体験できた。現在はまだ大容量データのダウンロードや8Kなど高画質映像のストリーミングがせいぜいだが、今後は産業界などでの活用が進むにつれて、より生活に根ざしたさまざまなアプリケーションが登場してくるだろう。現在はまだ正式ローンチ前の前哨戦といった体だが、一通り5G展開の開始された2020年以降の事例紹介やデモに期待したい。
(取材協力:クアルコムジャパン)
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