海外旅行時のピンチを救う「ドコモワールドカウンター」――4割値下げで先行き不安なサポート体制の行方石川温のスマホ業界新聞

» 2018年12月21日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 先週、NTTドコモがハワイでdポイントを使えるお店を展開するということでホノルルで取材をしてきた。

 そこで、ついでと言ってはなんだが、ワイキキショッピングプラザにある「ドコモワールドカウンターハワイ」で話を聞いてきた。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2018年12月15日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


 ドコモワールドカウンターハワイは、10年以上、ホノルルで、日本から訪れるNTTドコモユーザーのためにサポートを行っているところだ。

 ガラケー全盛のころは、充電端子が独自ということもあり、充電器を忘れた人のために、充電をサポートすることが多かったようだが、スマホ時代になっても、「充電したい」と駆け込む人が多いようだ。Lightningケーブルであれば、近くのアップル直営店でも手に入るが「USB Type-Cとなると、まだハワイのなかでも入手が困難ということで、カウンターにくる人が多い」(担当者)とのことだった。ドコモワールドカウンターハワイでは充電ケーブルの貸し出しを行っている。

 取材中もひっきりなしにユーザーがカウンターを訪れていた。当日は、ホノルルマラソン前日ということもあり、訪問者も多かったようだ。取材中、カウンターに来ていた年配女性の相談事に耳を傾けてみると「明日、マラソンを走っている間、Wi-Fiをつなぎっぱなしにしたいので、なんとかしてほしい」との無茶振りな内容で、あっけにとられてしまった。

 しかし、カウンターのスタッフは、まず客のスマホを手に取り、SMSアプリを開き、ローミングした際に受信したSMSを確認し、その内容から、ローミングサービスの内容や料金などを案内。実に手馴れているのが印象的であった。

 ドコモワールドカウンターハワイは、かつてはNTTドコモから駐在員が派遣されていたが、現在はJTBが運営を行っているという。実は、10年近く前に一度、ドコモワールドカウンターハワイの取材をしたことがあったのだが、その時は「駐在員なんです」という人が取材に対応してくれたのであった。

 今回、ドコモワールドカウンターハワイを取材して感じたのは「やっぱり、NTTドコモは頼もしいな」ということだ。海外渡航時に親切にサポートしてくれるデスクがあるというのは本当に心強い。

 ただ、このカウンターは、一切、利益を産まない「コスト」でしかないことも念頭に置いておかなくてはいけない。

 将来的に「4割値下げ」を実現しようと思った時に、NTTドコモとしてコストを見直そうとした時に、「ドコモワールドカウンターハワイを廃止しよう」なんてことになったりはしないかと、ちょっと心配になった。

 「明日、マラソンを走っている間、Wi-Fiをつなぎたいのでなんとかしたい」というオバちゃんへのサポートも、すべてのNTTドコモユーザーから集められた通信料金によって負担されているコストだ。目先の通信料金を下げることばかりにとらわれると、こうした

 海外でのサポート」もおざなりになっていくということを、菅官房長官は理解しているのだろうか。

 これからは、こうした初心者を救うためにも「サポートはしっかりしていると料金高め」と「サポートは一切しないけど4割安い」という2つのプランをつくると、誰もが納得する、すっきりとした料金施策になるのではないだろうか。

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