今日から始めるモバイル決済

プレミアムフライデー×キャッシュレス、共通点は? 経済産業省でキャッシュレス推進キックオフイベント開催

» 2019年03月29日 15時40分 公開
[井上翔ITmedia]

 経済産業省とキャッシュレス推進協議会は3月29日、東京都内で「キャッシュレスキャンペーンキックオフイベント」を開催した。同日の「プレミアム“キャッシュレス”フライデー」に加えて、大型連休期間(4月26日から5月6日まで)を「キャッシュレスウィーク」と位置付け、両施策をきっかけにキャッシュレス決済の普及に努める。

集合写真 キャッシュレスキャンペーンキックオフイベントに登壇した関係者(前列中央は世耕弘成経済産業大臣)

キャッシュレスに触れる機会を増やしたい

鵜浦さん キャンペーンの背景を語るキャッシュレス推進協議会の鵜浦博夫会長

 昨今、コード決済サービスを中心にキャッシュレス決済が盛り上がりを見せている。キャッシュレス決済を推進する狙いについて、同協議会の鵜浦博夫会長(前NTT社長)は少子高齢化の進展による人手不足、人手不足による業務効率化、そしてインバウンド(訪日旅行客)への対応を挙げる。

 しかし、当の消費者が使わない限り、キャッシュレス決済の普及は見込めない。そこで「(キャッシュレス決済に)触れ合う機会を増やす」(鵜浦氏)べく、官民が一丸となって利用促進キャンペーンをすることになったようだ。

目的 店舗運営において現在進行形の課題を解決する手段としてキャッシュレス決済を推進。その実現に向けて、消費者に利用を喚起するための取り組みも行う
キャッシュレスウィーク参加予定企業(その1)キャッシュレスウィーク参加予定企業(その2) 4月26日から5月6日まで実施する「キャッシュレスウィーク」で広範な企業が賛同。Visa、Mastercard、JCB(ジェーシービー)やDiners Clubといった国際ブランドも名を連ねている

 店舗におけるコード決済の迅速で円滑な普及を促すべく、同協議会は「コード決済に関する統一技術仕様ガイドライン」と「コード決済に関するオペレーションガイドライン」(統一用語集)も公表した(ニュースリリース)。2019年度以降は、キャッシュレスウィークを含めて消費者向けの普及推進活動も強化していくという。

今までの取り組み コード決済の統一技術仕様やオペレーションガイドラインを策定
2019年度取り組み 2019年度は普及に向けた運動をさらに強化

プレミアムフライデーとキャッシュレスには共通点がある

石塚さん プレミアムフライデー推進協議会の石塚邦夫副会長

 プレミアムフライデーとキャッシュレス推進――はた目から見ると、両者には何のつながりもないように思える。しかしプレミアムフライデー推進協議会の石塚邦夫副会長(日本経済団体連合会副会長)は、両者にはつながりがあるという。

 プレミアムフライデーは元々、「消費の喚起を図ろう」(石塚氏)という目的で始めたもの。当初は「特別な商品」「特別なサービス」を提供することに重きを置いていた面もあるが、昨今はウォーキングを始めとする健康増進イベント、学び直しや異業種交流を目的とした「プレ金大学」といった社会課題に関する取り組みもするようになってきている。

 キャッシュレスに目を移すと、その推進は「日本の経済成長や効率性向上に不可欠」(石塚氏)。消費の喚起も「日本の経済成長には不可欠」(同)。経済成長促進という“共通項”を持っているために、今回のコラボレーションにつながったようだ。

世耕大臣 世耕弘成経済産業大臣

 プレミアムフライデーとキャッシュレスを所管するのは経済産業省。その長である世耕弘成経済産業大臣は、プレミアムフライデーとキャッシュレスには「(消費者の)生活を変えること」「事業者(店舗)の利益につながること」「(消費者と事業者ともに)食わず嫌いになりがち」という共通点があると語る。

 官民を挙げたキャッシュレス普及に向けた取り組み。その行く末に注目が集まりそうだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年