4月1日、新しい元号が「令和(れいわ)」に決まりました。日本で初めての元号「大化(たいか)」から数えて248番目の元号で、万葉集に収録された短歌から引用されました。大化といえば、小学校や中学校の社会科の授業で学習する「大化の改新」でもおなじみですね。
新元号が決まったことで、改元に向けたシステム的な作業が始まることになりますが、スマートフォンの文字入力アプリ(IME)は果たして「れいわ」を一発変換できるのでしょうか……? いくつか調べてみることにしました。
(この記事は、4月1日午後1時現在の状況に基づいて執筆しています)
最初に試したのは、「ATOK for Android [Professional]」。サブスクリプションサービス「ATOK Passport」のプレミアム版(月額476円)の契約者が利用可能な文字入力アプリで、通常の「ATOK for Android」よりも高度な変換エンジンを搭載しています。
恐る恐る「れいわ」と入力してみたところ……。
予測変換候補に出てきません。「変換」キーをタップして通常変換候補も出しましたが、やはり「令和」はありません。
そこで、「ATOKクラウド推測変換サービス」を使ってオンラインを含めて「れいわ」を推測変換をしてみたところ……。
やはり「令和」は出てきませんでした。恐らく、早すぎたんでしょうね……。
ものはついで、ということで「ATOK for iOS」でも試してみましたが……。
やはり変換候補には出てきませんでした。
ちなみに、開発元のジャストシステムは、両アプリを含むATOKファミリーについて、4月18日に新元号対応のアップデートを実施するそうです。同日以降、アプリをアップデートすれば辞書も更新され、クラウドに頼らずとも「令和」を変換できるようになるはずです。
続いて試したのは「Gboard」。Googleの多言語入力アプリです。
Android版とiOS版で「れいわ」と入れてみたところ……。
やはり「令和」と一発変換できませんでした。今後、辞書データベースが更新されれば変換できるようになるでしょう。
端末にプリインストールされている独自の文字入力アプリも確かめてみます。
まずサムスン電子の「Galaxy Note9 SC-01L」にプリインストールされている「Galaxyキーボード」を試してみました。日本語版Galaxyキーボードはオムロンソフトウェアの「iWnn(アイウンヌ)」がベース。iWnnは複数のスマホメーカーでも採用されています。
さて、変換できるでしょうか……?
一発変換はかないませんでした。今後、OSバージョンアップやソフトウェア更新のタイミングで対応することを期待したいです。
次はiPhoneやiPad、iPod touchなどにプリインストールされているiOS標準の「キーボード」。OSは最新の「iOS 12.2」です。
最新版とはいえ、改元前のリリース。果たして「れいわ」を正しく変換できるのでしょうか……?
ごらんの通り、変換候補に「令和」は出てきませんでした。SC-01L同様、OSアップデートやバージョンアップのタイミングで対応することを期待です。
ここまで来て「もうだめか……」と思ったのですが、1つ試してない文字入力アプリがありました。バイドゥの「Simeji(シメジ)」です。
ひとまず、クラウド(オンライン)から変換候補を取得する「クラウド超変換」をオフにして試したところ……。
令……もとい、例によって「令和」は出てきません。そこで、クラウド超変換をオンにしてみると……。
ついに「令和」(と「令和元年」)が出てきました!!
ということで、4月1日午後1時現在「令和」を一発変換できるのはクラウド超変換をオンにした「Simeji」だけ。ただし、ATOKファミリーのように時間がたてばアプリの更新によって「令和」も一発変換できるようになるはずです。
現時点で「れいわ」を「令和」と変換できる文字入力アプリは少数派ですが、以下の方法のいずれかで変換できます。
1つ目の方法では、文字入力アプリが賢ければ、次回以降の変換で「れいわ」を「令和」と変換してくれるようになります。いわゆる「学習」というやつです。
2つ目の方法はより確実です。多くの文字入力アプリは、ユーザーが語彙(ごい)を登録できる「ユーザー辞書」(アプリにより呼び方は異なる)に対応しています。iOSの標準キーボードの場合、以下の手順で「令和」を登録してみましょう。
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