待望されていた「iPhone SE」の後継機が、間もなく発売される。Appleのオンラインストアや一部家電量販店では4月24日、大手キャリアは5月11日に販売を開始する。現行モデルと比べて相対的にコンパクトながら、中身は最新モデルに近く、それでいてリーズナブルというのがiPhone SEの定義だ。第2世代のiPhone SEは、それを満たした端末なのか。発売に先立ち実機を試用することができたので、そのレビューをお届けしたい。
iPhone SEのコンセプトを一言で表すとすれば「換骨奪胎」という熟語がもっとも適切だろう。販売が終了したかつてのiPhoneと同じボディーの中に、最新モデルと同等のプロセッサやモデムを搭載し、現役復帰させたのがiPhone SEだ。第2世代のiPhone SEも、この流れを踏襲しており、ボディーにはiPhone 8を、プロセッサには「A13 Bionic」を採用する。
そのため、デザインや寸法は基本的にiPhone 8と同じだ。iPhone 8用のケースも、そのまま第2世代のiPhone SEに装着することができる。Appleは、4.7型のiPhoneをiPhone 6からiPhone 8の4世代に渡って続けてきたが、背面にガラスを採用し、Qi方式のワイヤレスチャージに対応したのはiPhone 8だけ。第2世代のiPhone SEが採用したのも、このデザインだ。
デザインがiPhone 8と同じなのは、Phone X以降のiPhoneで非対応になったホームボタンが搭載されていることも意味する。ホームボタンの機構はiPhone 7以降のものと同じで、厳密に言えば“物理的に押せるボタン”ではない。ホームボタン風の溝があり、押し込んだ際にバイブでフィードバックを返すことで、あたかもそこに物理キーがあるように錯覚させる仕組みだ。
ホームボタンは、押すだけでホーム画面に戻れる分かりやすさがメリット。Touch IDも採用されており、指を当てると画面が点灯し、そのままロックを解除できる。Apple Pay利用時も、指を当てたまま決済端末にかざすだけでよく、この点ではFace IDより直感的だと感じた。
デザインはiPhone 8と同じだが、一部違いもある。第2世代のiPhone SEは、ディスプレイ側のベゼルが全てブラックで統一されている。iPhone 8は、シルバーとゴールドの前面はホワイトだったが、第2世代iPhone SEのホワイトは他のカラーと同じ、ブラックになっている。恐らくカラーリングを統一することで、コストを切り詰めたのではないかと思われるが、ホワイトベゼルのiPhoneが欲しい人は注意してほしい。
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