ジャパンネット銀行(JNB)は2021年4月5日、会社名(商号)を「PayPay銀行(ペイペイぎんこう)」に変更する。この変更は株主総会での定款変更決議と関係当局の承認を前提に行われる。
JNBはさくら銀行(現・三井住友銀行)と富士通が主導して設立された日本初のネット専業銀行で、2000年10月から営業を開始した。2006年6月にヤフー(現・Zホールディングス)が資本参加し、2014年4月には同社の関連会社となった。現在は、三井住友銀行と、Zホールディングスの金融中間持株会社である「Zフィナンシャル」の関連会社となっている。
Zホールディングス(ZHD)とZフィナンシャル(ZF)では、「シナリオ金融」という構想を掲げている。ZHDグループが持つ各種サービスと金融サービスを具体的な「シナリオ(想定シーン)」をもって結び付けてて、利用を促進(送客)して利益を最大化するという戦略だ。
今回の社名変更はその一環で、ZHD/ZF傘下にある金融ブランドを、スマートフォン決済サービスとして一定の知名度を得た「PayPay(ペイペイ)」に統一することで、分かりやすさを演出しつつ、サービス間の相乗効果を最大化することが狙いである。
商号変更後も、PayPay銀行はJNBが培ってきた「提携サービスの広さ」と「中小企業との取引」といった強みは継承しつつ、PayPayとの相乗効果をさらに高めていくという。
PayPayとの連携強化によって、JNBは既に「開設口座数」「決済(チャージや精算)」の面でシナジー効果が出ているという。商号を変えることで、その動きが強まるのかどうか注目だ。
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