世界を変える5G

5Gエリア展開は大丈夫? 5Gならではのサービスは?――楽天モバイル「5G」発表会一問一答(1/2 ページ)

» 2020年09月30日 20時30分 公開
[井上翔ITmedia]

 既報の通り、楽天モバイルが9月30日、5G通信サービスを開始。対応端末として同日、オリジナルスマートフォン「Rakuten BIG」も発売した。

 同日に行われた発表会では、報道関係者との質疑も行われた。質疑は、楽天モバイルの山田善久社長(楽天副社長を兼任)と、タレック・アミン副社長(同)の2人が主に応じた。

山田社長 質疑に応じる山田社長
アミン副社長 質疑に応じるアミン副社長

5Gサービスやプランについて

―― 5G対応エリアですが、(9月30日時点では)非常に限られるように思います。今後、どのくらいのペースで拡充していくつもりでしょうか。

山田社長 正直にいって、他社を見ても最初は「全国津々浦々」というわけではありません。(5Gについては)他社と遜色のないスタートだと思っています。

 来年(2021年)の3月末までには、47都道府県でサービスを開始するので、現状の数倍の(5G)基地局を設置する予定です。今後、急速にスタートしていきます。

 世界的に見ると、私たちのようにSub-6(6GHz以下の帯域)とミリ波(30GHz近辺以上の帯域)で同時に(5G通信サービスを)開始するキャリアは珍しいと思います。そのこともあり、技術陣は非常に頑張っている所です。

―― LTEの当初エリアは(東京23区内を中心に)思ったよりも広いという印象を持ちましたが、5Gの当初エリアはほとんどが東京都世田谷区で(筆者注:楽天モバイルの本社は東京都世田谷区にある)、ある程度場所を意識しないと使えない状況です。

 いつぐらいになれば、ある程度場所を意識しないで使えるようになるのでしょうか。

山田社長 具体的なエリア展開の計画は、おいおい説明させていただきたいと考えています。

 (現在の)5GはLTEとは異なる周波数帯を使っていて、LTEと比べるとエリアを“面”で展開するのが難しいことは事実です。その辺を勘案しながら、どうすればユーザーに良いサービスを提供できるのか、いろいろなオプションを考えている所です。

 どこかのタイミングで「こういう形でエリアが広がります」ということをお示しできると思うので、もう少し待っていただければと思います。

―― 菅(義偉)政権は携帯電話料金の値下げに非常に意欲的です。総務大臣からも(それに関連した)発言が多くあります

 今回、5Gプランが2980円ということで、政府の要求にどのくらい応えられているとお考えでしょうか。

山田社長 プレゼンテーションで(楽天の)三木谷(浩史社長)が申し上げた通り、私たちとしては“思い切った”価格戦略を取っています。圧倒的に低い価格で、なるべく多くのお客さまに使っていただきたいと考えています。

 政府としては「平均」の料金を見ていると思うのですが、私たちのお客さまが増えることで(政府の期待する)平均料金は下げられると思います。

 私たちは、品質と価格共に圧倒的に良いものを提供していると自負していますので、できるだけ多くの人に(楽天モバイルの)サービスを使っていただけるように広めていきたいと考えています。

―― 今回「5Gが実質タダ」という打ちだし方をしていますが、スタート時点では5Gは非常に限られたエリアとなっています。5Gの付加価値はどこにあるのでしょうか。それがないからこそ、(追加で)料金を取れないということなのでしょうか。

山田社長 おっしゃる通り、一部地域からのスタートとなりますが、基地局が増えれば5Gの付加価値を感じていただけるのではないかと思っています。

―― 現行の「Rakuten UN-LIMIT」ユーザーは、自動的に「Rakuten UN-LIMIT V」(5G対応プラン)に変更されるということですが、エリア拡大を待たずに「楽天モバイル契約者=5G契約者」になるということでいいでしょうか。

山田社長 その通りです。ただし、5G端末を持っていないと5Gネットワークにはつながりません。まずは5G端末をご購入いただければと思います。

 既に契約している場合、すぐに切り替える(プラン変更する)こともできますが、10月12日から順次プランが自動で切り替わります。何もしなければ、11月30日までに5Gプランとなります。

―― 今後は4Gのみの契約はできなくなるという理解で正しいでしょうか。

山田社長 その通りです。

―― 本日5Gの料金が発表されました。昨日(9月29日)、NTTがNTTドコモを完全子会社化することを発表しましたが、このことでドコモは料金面で攻勢を強めてくる可能性もあります。この点について、どのように受け止めているでしょうか。

山田社長 他社のことをあまりコメントするべきではないと思うので直接のコメントは差し控えたいと思います。

 プレゼンテーションでもお示しした通り、弊社は非常に革新的な技術をベースに、(他社と比べて)圧倒的な価格差をもって(5Gサービスを)提供できているので、ユーザーの支持は得られると考えています。

とにかく安い 楽天の三木谷浩史社長(楽天モバイル会長)は、「Rakuten UN-LIMIT V(ファイブ)」が他社の大容量プラン(auとソフトバンク)と比べて7割安いことをアピール
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