インセンティブ【いんせんてぃぶ】

【国内記事】 2002年3月18日更新

 インセンティブ(Incentive)とは,奨励や刺激,報奨といった意味の英語であり,主に報奨金を付けた契約などに用いられる。販売奨励金とも呼ばれる。

 携帯電話におけるインセンティブ契約は,携帯電話会社(キャリア)と販売会社(代理店)の間で締結されるもの。利用者に直接の関係はないが,このインセンティブ契約によって,端末購入時の価格が安くなるという恩恵を受けている。最新技術を詰め込んでいるはずの携帯電話やPHSが,本体価格で数千円,商品によっては1円という破格値で販売されているのは,このインセンティブの存在によるものだ。

 一般的に,携帯電話が1台(1回線)売れるたびに,ある決まった金額が報奨金として,キャリアから代理店に支払われる。本来であれば,この報奨金はすべて代理店の利益になるのだが,代理店ではより多く販売するためにこの報奨金部分を最初から値引き額に加え,本体価格を仕入れ値以下の価格に設定してしまう。見かけ上,代理店はほとんど儲けが出ないように見えるが,実際には多く売ることで利益は上がるようになっている。

 例えば,ある一定数量を販売したときに適用されるボリュームインセンティブは,簡単にいえば100台売れるごとに通常の報奨金とは別にボーナスが出るというような仕組みだ。また新機種のキャンペーン実施時などには,特別なインセンティブが追加されることがある。iモードなどの新サービスが開始される際も,iモード契約を結べばさらに報奨金がプラスされたり,契約をした回線で使われる毎月の通話料金の何パーセントかが報奨金として代理店に還元される仕組みがある。

 実際によくある例としては,契約時に必ずといっていいほど勧められる「年間契約」も,このインセンティブに関係がある。店員が「年間契約を結ばないと,この価格では売れない」というのは,実は販売した回線が一定の契約月数に満たない場合,キャリアから報奨金が支払われないという制約があるためである。つまり早期に解約されてしまうと,安売りした分の元手を回収できなくなるわけだ。

 インセンティブ契約の存在は各キャリアとも認めているが,その額や契約形態に関しては非公開である。ここに挙げた例は過去にその存在が確認されていたもので,必ずしも現在の実態を説明したものではないことを付け加えておく。

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[江戸川,ITmedia]

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