ユビキタス【ゆびきたす】

【国内記事】 2002年4月1日更新

 ユビキタス(Ubiquitous)は,「ユビキタス・コンピューティング」や「ユビキタスネットワーク社会」などのように使われる,情報化社会の概念的な用語である。

 ユビキタスは「遍在(へんざい)する。同時に,いたるところに,存在する」という意味のラテン語を語源とする。すなわち,ユビキタス・コンピューティングは「いたるところにコンピュータが存在する」こと。コンピュータを持ち運んで使うというより,日常,どこにいってもコンピュータが使えるという環境を指している。

 ユビキタス・コンピューティングの概念は,米Xeroxの研究所で用いられたのが始まりで,来るべき将来のコンピューティングの姿を現す3つ目の波として紹介されている。

1つ目の波:数千人が1台の大型コンピュータを使用 2つ目の波:一人1台のコンピュータを使用 3つ目の波:一人を多くのコンピュータが取り囲む

 ユビキタスが実現されつつある背景として,コンピュータやPDA,情報家電の進化だけでなく,常時接続が普及したことや,IPv6の開始などといった影響を受けている。ユビキタスでは,必ずしも小型の機器だけを対象にしておらず,持ち運びを前提としたモバイル・コンピューティングの概念とはやや異なる意味合いを持つ。

 だが,ホットスポットでのインターネット利用以上に「いつでもどこでも」が要求されるため,ノートPC,PDA,携帯電話など携帯できる製品に対する期待は相変わらず高い。現在の製品群にあるハンドヘルド・コンピュータや,パームトップ・コンピュータをさらに小型化・高機能化し,可搬性を追求した製品にウェアラブルがある。

 ウェアラブル(Wearable)は,「ウェアラブル・コンピュータ」と呼ばれる,身に着けることのできる装着型コンピュータを表している。現時点では,小さなパソコン本体を腰に着け,超小型カラーディスプレイとカメラのついたヘッドセットや,片手でも入力できるキーボードなどを使う。米Xybernautが開発・販売している「モバイル・アシスタント」などがある。

 また,家庭内でコンピュータや情報家電を接続して使うホームネットワークや,移動時のコンピュータ利用の1つの手段である,自動車からのインターネット接続(テレマティクス)なども,ユビキタス・ネットワーク社会を実現する重要な技術と位置づけられている。

 ちなみにモバイル(Mobile)は,「モバイル・コンピューティング」を略した用語で,移動中,もしくは移動先において,普段利用しているコンピュータのデータを引き続き扱うための環境や機器などを表す。英語であることから,その発音によってモバイル,モービル,またはモーバイルと呼ばれることもあるが,近年はモバイルで定着したようだ。

[江戸川,ITmedia]

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