通話・データ以外の携帯利用は位置情報から──ココセコムに5万人

位置情報サービスgpsOneの世界初の商用サービス,セコムの「ココセコム」は,cdmaOne網を音声通話でもデータ通信でもない用途に利用する。

【国内記事】 2001年7月19日更新

 Wireless Japanのクアルコムジャパンブースでは,同社の位置情報取得技術「gpsOne」(用語)を採用した世界初の商用サービス,セコムの「ココセコム」が展示されていた。

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 ココセコムは,携帯電話サイズの端末を子供や老人に持たせたり,車やバイクなどに取り付けることで,インターネット上から位置を確認できるサービス。端末内にはQualcommのcdmaOne用のチップセットが入っており,auのcdmaOne網につながっている。

 Qualcomm製チップセット「MSM3300」は,gpsOneという位置検索技術に対応しており,従来GPSが機能しなかった建物の中や移動中の車,高層ビルの谷間などでも,GPS衛星とcdmaOne基地局の電波を利用して位置情報を取得できる(技術の詳細はこちらの記事を参照)。

サービス開始3カ月で5万人が契約

 セコムは今年の4月から「ココセコム」のサービスを開始しているが,3カ月あまりで「リテールだけで5万人程度の契約があった」とセコムのココセコム事業部,赤坂真基氏は言う。

 その半分程度は,防犯のため車に取り付けるというもの。ココセコムと契約しておけば,たとえ車が盗難にあっても,位置を突き止めることが可能だ。残りの2割はバイク,3割は“人”だという。

 これまでもPHSなどを使って,子供やお年よりなどの位置を把握するサービスは提供されていた(2月15日の記事参照)。しかし,PHSの位置情報サービスは基地局からの電波を元に位置を割り出すため,誤差は数100メートルとそれほど精度は高くない。

 東京・ビッグサイトの会場で,ココセコムのデモンストレーションをしてもらったところ,屋外に出てGPS衛星を利用すれば建物のどの面から外に出たのかも判別できた。屋内でも,cdmaOneの電波を利用して展示会場にいることが判明した。

 端末は小型軽量ながら,測位の計算自体はネットワーク上に設置されたセコムのサーバで行われるため高速。20秒程度で地図が表示され,マーカーで現在位置が示される。

携帯電話の“ヒト以外”への利用法

 ココセコムは,いってみれば“音声通話でもデータ通信でもない携帯電話の新しい利用法”だ。

 赤坂氏は「もっと契約者を増やしたい。100万人くらいは欲しい」と今後の見通しを語る。ヒトだけでは天井が見えてきた国内の携帯電話契約数。今後は,ココセコムのような“ヒト以外”への携帯電話の利用が期待される。

[斎藤健二,ITmedia]

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