Cメールへのスパムを防ぐ──EZweb＠mailをアシストするCメールの機能を検証

auのショートメールサービス「Cメール」は，Eメールとして受信できることから，さまざまな利用法が可能。しかし電話番号からアドレスを生成できるので，迷惑メールに利用されることが急増しているようだ……。

【国内記事】

2001年8月9日更新

　CメールはauのcdmaOne携帯電話で利用できるショートメッセージサービス。送信は1回につき3円かかるが，受信は無料でできる。送受信ともに，半角で100文字，全角で50文字までのメッセージがやりとりできる。またEメールとしての受信もできるのが大きな特徴だ。

　このCメールと，CメールのEメール受信に必要なサービス契約は旧IDO地域と旧セルラー地域で若干異なる。

旧IDO地域と旧セルラー地域で多少異なるCメール

　Cメールは旧IDO地域（関東・中部）では，cdmaOne携帯の標準サービスで月額使用料無料となっている。そしてEZweb（月額200〜400円）を契約すれば，「電話番号＠cmail.ido.ne.jp」というアドレスでのEメール受信が可能となる（7月5日の記事参照）。

　あまりないケースとは思うが，EZwebを契約していない場合には，「インターネットアシスト」という月額800円のサービスを契約すれば，CメールでEメールアドレスが利用できる。

　旧セルラー地域（関東・中部以外の地域）には留守番電話サービスやEZwebなどを含めた「メッセージサービス」（アドバンストサービス）という月額使用料300円のサービスがある。この統合サービスを契約することによりCメールを利用できる。そして旧IDO地域と大きく異なるのが，すべてのCメール利用者が「電話番号@***.dion.ne.jp」のアドレスでのCメール受信が可能となっていることだ。

　簡単に言えば，どちらの地域の場合もEZwebを利用しているユーザーなら，何も気にせずにEメールをCメールとして受信できる。つまりEメールを無料で受信できるのだ。もちろんEメールの送信はできないので，その際にはEZwebを利用することになる。

au各地域のEメール受信アドレス

関東・中部	電話番号@cmail.ido.ne.jp
北海道	電話番号@dct.dion.ne.jp
東北	電話番号@tct.dion.ne.jp
北陸	電話番号@hct.dion.ne.jp
関西	電話番号@kct.dion.ne.jp
中国	電話番号@cct.dion.ne.jp
四国	電話番号@sct.dion.ne.jp
九州	電話番号@qct.dion.ne.jp
沖縄	電話番号@oct.dion.ne.jp

CメールでEメール受信をするために必要なサービス契約

地域	Cメールサービス	Eメール受信サービス
旧IDO地域	なし	EZwebもしくはインターネットアシスト
旧セルラー地域	メッセージサービス	メッセージサービス

　また，Eメールとして受信したCメールには送信者名（Fr:）と件名（Sub:）が付加され，この文字数分も送受信可能文字数の全角50文字に含まれるので注意が必要だ。旧IDO地域では「着信お知らせ内容カスタマイズ機能」という機能がある。アドレスにオプションを追加することにより，受信内容をカスタマイズできるのだ。この機能に関してはauのホームページに詳しい解説が記載されている。

・送信内容のカスタマイズ 電話番号.[b][s][f].[00-23]@cmail.ido.ne.jp [b] 設定：本文のみを表示 [s] 設定：タイトル（Sub:）のみを表示 [f] 設定：送信者名のみを「Fr：+メールアドレス」として表示 [時間] 設定：指定した時間内には「Eメール着信お知らせ」を受信しない ・例 電話番号090-9999-0000のEZweb利用者に本文のみのCメールをEメールクライアントから送信する場合の宛て先指定 「09099990000.b@cmail.ido.ne.jp」

Cメール宛ての迷惑メールが急増

　最大受信可能文字数は全角50文字と限られているが，EZweb利用者ならば，CメールをEメールアドレスで無料受信できることは分かってもらえたと思う。

　ここで問題になるのが迷惑メールだ。電話番号と決まった文字列（@cmail.ido.ne.jpなど）で構成されるEメールアドレスは，以前のiモードの標準のEメールアドレスと同じようにPCなどで簡単に生成することができる。11桁のランダムな数字と決まった文字列ならばパソコンなどで自動生成，一斉送信ができてしまうのだ。

　このEメールアドレスは「C201H」などが活躍したEZwebサービスの初期段階から変わっていない。アドレスに「IDO」といった旧体制の社名が含まれているのはこのためだ。しかし最近になって，Cメールへのダイレクトメールが急増しているようだ。この理由は分からないが，出会い系サイトのダイレクトメールが筆者の端末にも毎日のように届いている。旧セルラー地域でEZwebを利用しているユーザーからも，同じようなメールがきていると報告を受けている。

　Cメールは受信が無料のため，受信にパケット代がかかってしまうiモードほどの被害はない。しかしCメール着信音に胸をときめかせ，内容を確認したら迷惑メールだった……ではガッカリすることこの上ないはずだ。Cメールへの迷惑メールはどのようにして防げるのだろうか？

Cメールのメールアドレスは実は変更できる

　旧IDO地域では「パスワード設定」により，CメールのEメールアドレスを変更することができる。

・旧IDO地域のアドレス変更方法（携帯電話から） 　「EZメニュー」→「トップメニュー」→「auインフォ」→「auホームページ」→「関東（or中部）」→「Eメールパスワード登録」→「パスワード設定」→「au電話番号を入力」→「暗証番号を入力（半角4桁数字）」→「パスワードを入力（半角英数字4〜10桁）」→「再度，パスワード入力」→「設定する」を選択

　上記手順でCメールのEメールアドレスを「電話番号_パスワード@cmail.ido.ne.jp」に変更することができる。例えば電話番号が090-9999-0000でパスワードに「zdnet」を指定した場合には，「09099990000_zdnet@mail.ido.ne.jp」が受信用Eメールアドレスとなるわけだ。「暗証番号」はEZweb契約時に指定したもの。「パスワード」はパスワードという入力項目ではあるが，早い話がアドレスに付加したい文字列だ。なおアドレス変更はホームページにアクセスして，パソコンから行うこともできる。

　なお上で紹介した「着信お知らせ内容カスタマイズ機能」はメールアドレス変更後も問題なく使えるので，組み合わせて利用すればより便利だ。またEZwebのEメール転送先にCメールアドレスを指定している場合，合わせて変更しておくことも忘れないようにしよう。

　ところで旧セルラー地域では，現在のところ上記のようなアドレス変更方法が提供されていない。auでは現在，旧セルラー地域でのCメール経由の迷惑メール対処法を検討中とのことであるが，具体的な施策は発表されていない。EZweb@mailとCメールという素晴らしいサービスを提供していながら，サポートがこのような状況ではユーザーが満足するとは思えない。旧セルラー地域でも，旧IDO地域並みの対処を早急に望むものである。

　なおEZwebの迷惑メール対処法は前記事で，Eメール無料受信の方法などと共に紹介してあるので合わせて参照してほしい。

[折笠光裕，ITmedia]

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