三洋の有機EL携帯はau向けが有力──年内目標

未来型携帯が登場する日は近い。三洋は「ほぼ完成型」というスライド式次世代携帯電話を展示。ディスプレイには有機ELを使い,CCDカメラを2個搭載している。

【国内記事】 2001年9月20日更新

 千葉・幕張メッセで開催されている「WORLD PC EXPO 2001」の三洋電機ブースでは,有機ELディスプレイ(用語)を搭載した次世代携帯端末が注目を集めている。

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年内を目標に開発中

 三洋電機が展示しているのは,有機ELディスプレイを使った次世代携帯電話。KDDIのCDMA2000 1x方式に対応したモデル。「(キャリアは確定していないが)auが有力。年内を目標に開発を進めている」(三洋説明員)まずは国内に投入する。

 有機ELは,液晶と異なり自身が発行する表示デバイス。明るく高精細で,バックライトが不要。視野角が広く応答速度が速いため,動画の再生などに適しているといわれている。

 今回の端末に搭載されている有機ELディスプレイは26万色表示のアクティブ型で,2.2インチ。176×220ピクセルの解像度を持つ。

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端末上では有機ELディスプレイにカラフルな映像が流れている。美しく発色し,動きの激しい動画でも残像は皆無。ほとんど真横から見ても,正常に表示されており,視野角も大きい(有機ELの映像はこちらを参照

端末はスライド型。ツインCCD搭載

 この端末の特徴は有機ELだけではない。一見コンセプトモックアップに見えるスライド型のまま端末は登場する模様。

 有機ELカラーディスプレイに目いっぱい映像を表示させるため,メール着信や電波強度,時刻などの情報はモノクロのサブディスプレイに表示させる。「サブディスプレイはもはや標準」(説明員)

 上部には三洋が開発を進めていた携帯電話向けCCDモジュールを2つ搭載(3月7日の記事参照)。正面のカメラはテレビ電話などで自分を撮影するため,背面のカメラはデジカメ代わりに利用するために使われるという。

 重さは「129グラム以下を目標」(説明員)。有機ELの消費電力も気になるところだが,「通話時間120分以上を目指している」(説明員)という。

有機ELのメリットをどこまで生かせるか?

 “携帯機器に向く”といわれている有機ELだが,解決すべき課題もある。屋外など直射日光下では外光を表示に利用できる反射型のほうが有利だが,有機ELは自家発光するため,液晶ディスプレイのように反射型を作れない。液晶のバックライトと比べて輝度が高いため屋外でも見やすいとは思われるが,「屋外での利用に関しては今から」(説明員)と特に特殊な対策は施していない。

 また動画に強いといわれる有機ELだが,携帯電話で動画をどう扱うかは強く通信キャリアに依存する。“有力”とされるKDDIは,「CDMA2000 1x向けに動画配信を行う」と語っているが,テレビ電話など動画関連の機能をどうサポートするかで三洋の端末の魅力も変わってくるだろう。

[斎藤健二,ITmedia]

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