これからの携帯に必要なもの──「シンプルフォン」の隠れた実力「いま欲しいケータイは?」。第3世代や映像配信,音楽配信もいいけれど,急速な進歩の中で疎かになってしまっているものがある。
どんどん高機能化し,メニューは複雑に,マニュアルは分厚くなっていく携帯電話。第3世代携帯電話になって,さらに機能が増えるのはいいものの,その進化の途中で何かを忘れてしまっていないだろうか? J-フォンが9月3日に発表した「シンプルフォン」は機能を絞って使いやすさを追求した端末だ(9月3日の記事参照)。「特にシニア層をターゲットとしているわけではない。Webアクセスは使わない,というユーザーを狙っている」(J-フォン東日本)というが,実際のところはどうなのだろうか?
千葉・幕張メッセで開幕中の「WORLD PC EXPO 2001」J-フォン東日本ブースで,シンプルフォンの使い勝手を試してみた。
このメール機能は使いやすいシンプルフォンを見てまず驚くのは文字の大きさと見易さ。“カラー化”“高精細化”が進んだ結果,昨今の携帯電話の文字は小さく,さまざまな色が使われるようになった。その結果,筆者でも「携帯の画面が見にくい」と思うことはよくある。 シンプルフォンではカラー液晶を採用しながらも,基調色はモノクロ。コントラストの高い文字を大きく表示することで視認性を高めている。
機能が大きく制限されているのもシンプルフォンの特徴。J-フォンには送信可能文字数の違いで「J-skyメール」「J-skyロングメール」,さらにPCなどのメールアドレス宛てに送るかどうかで「J-skyEメール」「J-skyロングEメール」の計4種類のメールが利用できる。シンプルフォンではこれらの機能を大きく制限した。
それぞれJ-skyの「Eメール」は利用できるため,PCや他キャリアの携帯電話とのメールのやり取りは問題ない。ただしJ-DN31とJ-K31は,ロングメール機能をあえて搭載していない。 正直なところ,J-フォンのメールシステムは難しい。J-フォン歴の長いユーザーでも「どんな場合にロングメールを使えばいいのか」理解してない人もいる。売れ筋の端末でもメールのメニューは入り組んでおり,“簡単にメールを出せる”とはいい難い。このメール機能をバッサリ整理することで,シンプルフォンの使い勝手は見事なまでに向上している。 Webアクセス機能も搭載していないため,もちろん着信メロディのダウンロードや壁紙のダウンロードも行えない。昔ながらの「スカイメロディ」機能は持っているものの,ここまでコンテンツ系の機能を制限するのは通信キャリアとして思い切ったことだと推察される。 J-DN31は,予測変換機能「T9」を国内では初めて搭載しているのも特徴だ(2月6日の記事参照)。例えば「まくはり」と入力したければ,順に「ま」「か」「は」「ら」のキーを押すだけで「まくはり」の候補が登場する。動作も機敏で,POBoxなどの予測変換機能とはまた違った軽快感を実現している。 アルファベットや記号はダイヤルキーに刻印されておらず,すべて画面上に現れるソフトキーで入力するというアイデアもすごい。J-DN31では1つのダイヤルキーを1回以上押す必要はないのだ。
その使いやすさを最新の携帯電話にもJ-DN31を使うと,“通話とメール”という携帯電話の2大機能を本当に間単に使えることを実感できる。ただし逆に感じるのは“この操作性の良さはフル機能の携帯電話でも搭載できるはず”ということだ。 例えば“キー1つで着信履歴を呼び出せること”。電話としては頻度の高い行為だと思うが,これができていない最新携帯電話は多い。メールボタンにしても付いていない携帯電話がいまだにある。 文字の大きさにしても,大きなフォントを別途搭載すれば実現可能なはず。ゲーム機能などを内蔵する前に,こうした使い勝手の向上のためにメモリを利用できないのだろうか? シンプルフォン自体が市場で成功するかは微妙だ。会場でシンプルフォンを手に取っていたある来場者は,「この端末で写真は撮れるの?」と質問していた。やはりユーザーとしては最新の機能に憧れるのだろうか。 しかしシンプルフォンで培った操作性へのアプローチは,必ず次回の端末に反映されるはず。“フル機能なのにシンプル”。そんな端末の登場を期待したい。 [九条誠二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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