FOMAのデータ通信カード「P2401」の速度を試す

NTTドコモは本日より第3世代携帯電話サービス「FOMA」を開始した。ストレートタイプやビジュアルタイプに注目が集まっているが，データ通信用端末「P2401」は，64Kデータ通信と，受信最大384Kbpsのパケット通信を実現する強力なデータ通信カードだ。編集部では，さっそくデータの実効速度をテストしてみた。

【国内記事】

2001年10月1日更新

　FOMAのデータ通信用端末「P2401」は，64Kデータ通信と，受信最大384Kbpsのパケット通信に対応した魅力的なデータ通信カードだ。

パケット通信の速度，64Kデータ通信の速度は

　通信速度のテストは「ブロードバンドスピードテスト」と「データ受信速度の計測」を利用して行った。実験場所は，赤坂の丘の上にあるビル内の編集部で，アンテナは2本と3本のあいだを行ったりきたりといった感じだ。

　最大384Kbpsパケットの受信が可能なパケット通信では以下のような結果が出た。

「ブロードバンドスピードテスト」の結果。推定スループットは140Kbps

「データ受信速度の計測」の結果。1Mバイトのデータを受信した際の速度。平均速度は178Kbps

　64Kデータ通信の計測では以下のような結果が出た。

「ブロードバンドスピードテスト」の結果。推定スループットは49Kbps

「データ受信速度の計測」の結果。500Kバイトのデータを受信した際の速度。平均速度は60Kbps

　受信状態がそれほどよくないビル内での結果としては，まずまずといったところだろう。

「P2401」のパッケージ内容は

　「P2401」のパッケージには，P2401データカード本体と外部アンテナ，取扱説明書，保証書などが入っており，シンプルな構成だ。

「P2401」のパッケージ内容

　製品を購入すると，FOMA端末契約者の個人情報が記録されたICカード「FOMAカード」を渡される。電話番号や暗証番号など，利用者の固有情報が記録されており，これをデータカードの中に挿し込むことで，利用可能になる。

これがFOMAカード。左の小さい部分のみを使う

　カードはアンテナ付きで，やや大きめだ。サイズは13×56×120ミリで重さは50グラム。PCカードスロットに挿入すると，かなりはみだしてしまう。「P2401」には，さらに感度を高めるために，カードに取り付けるタイプのアンテナも用意されている。カードの対応OSは，Windows 98，Windows Me，Windows 2000 Professional。ちなみにMacintoshには未対応だ。

PCカードスロットに挿したところ。かなりはみ出る

カードに取り付けるためのアンテナが付属する

　ネットワークの設定は付属するCD-ROM内に収録されている「P2401 PC設定ソフト」を使って行う。まだFOMA対応のプロバイダが少ないため，編集部ではドコモ直営のプロバイダ，mopera経由で64Kデータ通信と，パケット通信の速度を試した。ちなみにmoperaでパケット通信を行う際の電話番号は「*99***1#」，64Kデータ通信を行う際の電話番号は「*9601」か「#9602」だ。

設定用の「P2401 PC設定ソフト」

　パケット通信を行っているのか64Kデータ通信を行っているのかを見分けるには，カードの「MODE」部分のLEDを見る。オレンジに光っていればパケット通信，緑色に光っていれば64Kデータ通信だ。

64Kデータ通信はLEDが緑色に光る

パケット通信の場合はLEDがオレンジ色に光る

料金が気になる人向けのユーティリティがあればベスト

　FOMAのデータ通信カードを利用すれば，かなり快適な通信が行えそうなことが実験から分かったが，気になるのは料金面。いくらリーズナブルな価格に抑えられているとはいえ，ユーザーとしては気になるところだ。

　KDDIでは，ダイヤルアップ時に立ち上げておくことで，パケット数やオアケット料金をリアルタイムで表示するユーティリティ「パケットカウンター」をサイトに無料で用意している。このようなソフトが用意されれば，ユーザーも課金を気にすることなく利用できるので，NTTドコモにも対応してもらいたいところだ。

[後藤祥子，ITmedia]

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