コストは缶ジュース以下?──KDDIの動画配信「ezmovie」とは何かKDDIは12月の新端末から動画配信を開始する。先行するドコモの「M-stage visual」などを見てきたKDDIは,普及に困難が予想される動画配信をどのように始めるのだろうか。
次世代携帯電話と動画配信はやはり切っても切れない関係にある。12月からKDDIが開始するcdmaOne端末向けのサービスも,“第3世代携帯電話向け”を標榜する以上,動画配信は避けられない。 KDDIの端末ラインナップのうち,「ハイパフォーマンスモデル」だけが対応する動画配信サービス「ezmovie」の概要を,CEATEC JAPANのKDDIブースでの話を元にまとめてみよう。 ビットレートは64Kbpsブースでは東芝製ハイパフォーマンスモデルの実機で動画の再生を試すことができる。配信方法としてはダウンロード型とストリーミング型の2種類を考えているという。どちらも動画(音声込み)のビットレートは64Kbpsだ。
東芝製端末は低温ポリシリコンTFT液晶を使い4096色表示が可能。ezmovieの解像度は,QCIF(176×144ピクセル)とSubQCIF(128×96ピクセル)に対応しているという。 ダウンロード型のコンテンツの場合,端末内には5〜6個の動画ファイルが保存できるという。 ドコモの動画配信に対する優位点は?携帯電話への動画配信といえば,NTTドコモが「M-stage visual」としてPHSに向けてサービスを始めているほか(11月29日の記事参照),年内にはFOMA向けに「iモーション」,2002年にはFOMA向けに「M-stage visual」の配信を予定している(9月3日の記事参照)。 しかしKDDIは,ドコモの動画配信に対してezmovieは優位点が多いと語る。1つは「(ダウンロード)時間が速い」(KDDI)こと。M-stage visualがPHSの64Kbps,FOMAの回線交換の64Kbpsを使うのに対して,ezmovieでは現在のcdmaOneで64Kbps。2002年4月のCDMA2000 1x開始時には144Kbsまで高速化する。 もう1つは料金だという。150Kバイトを現行のEZwebの料金体系でダウンロードすると324円程度かかる。「動画など大きなサイズ(のファイル)をダウンロードするときは価格を下げられるような料金体系を考えている。気軽に落とせる料金,缶ジュース代金以下にはできるだろう」(KDDI) 国際標準フォーマット“MP4”を使用ezmovieは画像圧縮方式にMPEG-4,ファイルフォーマットにMP4を用いる。“MP4”には馴染みのない方が多いかもしれないが,MP4はMPEG-4の標準フォーマットだ。 MicrosoftのWindows Mediaが“MPEG-4”と呼ばれることも多いが,これは圧縮方式がMPEG-4であって,ファイルフォーマットは独自形式のASFを使う。ASFはシャープのビデオカメラやドコモのM-stage visualにも利用されるなど,知名度が高くMPEG-4の代名詞のように使われる。しかしMPEG-4の国際標準フォーマットであるMP4とは互換性がない。 ezmovieの音声圧縮には,MP3とQCELPを使うという。QCELPはQualcommのスピーチコーデックで,それぞれcdmaOne端末が利用しているQualcommのベースバンドチップでソフト処理できるため,特別なハードウェアは必要ないという。 一般のユーザーも動画コンテンツを提供可能MP4は標準フォーマットではあるが,それほど普及しているとはいえない。Windows Mediaの動画オーサリングソフトも多いとはいえないが,MP4は現在のところさらにマイナーだ。 ezmovieは当初から一般のユーザーでも動画コンテンツを配信できるようにする予定で,「(MP4の)オーサリングツールの公開も12月に向けて準備している」(KDDI)という。 今年の夏にコンテンツプロバイダ向けの説明会を開いてから既に数十社が名乗りを挙げており,12月1日には数十のコンテンツが提供できそうだという。 [斎藤健二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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