Windows CEにも正式対応するCF無線LANカードメルコの無線LAN機器ブランド,AirStationからCFタイプの無線LANカードが登場した。PCカードタイプより幅広い機器で利用できるのはもちろん,Windows CE機での利用を正式にサポートする希な製品として注目される。
単なるCF対応だけでなく,コンパクト化を追及メルコの「WLI-CF-S11G」はCF TypeIIスロットに対応する無線LANカード。基本スペックはIEEE802.11b仕様,WiFI取得済み,40/128ビットWEP対応と同社のPCカードタイプ「WLI-PCM-L11G」と同等で,デファクトスタンダードといえるもの。無線LANチップは採用例の多いIntercil PRIMS2.5であり,他ベンダーの無線LAN機器との相互接続性もまず問題ない。 本製品は単にCFタイプとなっただけではなく,アンテナも兼ねるエクステンション部も含めて小型化が図られている点もポイントだ。今秋になって複数のベンダーからCFタイプの無線LANカードが登場しているが,本製品はそれらの中でも格段にコンパクト。サイズはCFタイプのPHS通信カードとほとんど同じで,PCなどに装着した場合の出っ張りも小さい。無線LANカードを挿しっ放しでPCを持ち歩く人はこの理由だけで買い換えたくなるのではないだろうか。
Windows CEにも本格対応本製品はCFタイプのためPDAでの利用が物理的に容易になった。また重要なのは正式にWindows CE3.0(Pocket PC,H/PC2000)に対応し,ドライバが完備されていることだ。 Windows CEでは既に「iPAQ Pocket PC」で無線LANサポートの例があるが,これはオプションのPCカードジャケットが必要で,さらにサポートされるのは純正無線LANカードのみ(海外ではサードパーティ製も存在するようだ)。本製品は事実上Pocket PCでは標準装備になりつつあるCF TypeIIスロット対応しているので,ほとんどのPocket PCでの利用が可能になったことになる。 付属のドライバは複数の設定を保存,呼出して利用可能で,複数の無線LAN環境での利用も容易。電波状態やデータの送受信状況も監視できる。 筆者の手持ちのiPAQで利用してみたが,何ら問題なく利用できた。そもそもPDAにLANケーブルは無粋ともいえ,特に片手で保持して利用するPocket PCではあまりに不自然で不便だ。屋内では無線LANによるネットワーク接続が現状では理想的な形態ともいえるだろう。もちろん本来ならBluetoothだとは思うのだが。
コンパクト化されているが,送受信性能も良好コンパクト化で不安になるのが送受信性能の低下だが,この点はほとんど心配はいらないようだ。同社のWLI-PCM-L11でぎりぎり無線LANが利用できる位置,時折LANとしての接続がと切れるようなところでも,本製品はほぼ同等に利用できた。ただし同社のPCカードタイプ(WLI-PCM-L11/L11G)でサポートされる外部アンテナは利用できないのでこの点は注意がいる。
本製品はPCカードアダプタを利用すればPCカードスロットでも利用できるため,機能的にはPCカードタイプと比較してメリットこそあれどデメリットはほとんどない。既に述べているが外部アンテナが利用できないことくらいだ。 ただし,PCカードアダプタは原則として専用品(WLI-CF-OP)を使用することになっており,同社製のCF TypeIIに対応した「MicroDrive」用のPCカードアダプタなども利用できない。専用品は4800円とかなり高めの価格設定であるのは少々疑問だ。なお筆者が確認した限りだが,「P-in Comp@ct」用のPCカードアダプタでは継続的に問題なく利用できている。 PCユーザーにとってCFタイプの無線LANカードは必ずしも必要な製品とは思えないし,PDAユーザーでもどうしても無線LANが使いたいという人はそれほど多いとは思えない。 しかし試験的ながら屋外での無線LANを利用したインターネット接続サービスなども立ち上がりつつあり,本製品のように幅広い機器に対応し,携帯性に優れた無線LANカードの活躍の場は着実に広がっていくはずだ。少なくともこういった製品においては「小は大を兼ねる」なのだから。 [坪山博貴,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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