SH506iC特集
FeliCa機能を側面からサポート

情報管理に生きる「SH506iC」の新機能

 シャープ製の最新NTTドコモ端末「SH506iC」が登場した。“iC”の名は、携帯を“サイフ代わり”にする非接触ICカードFeliCa内蔵を意味している。携帯を使ってコンビニエンスストアで買い物をしたり、飛行機のチケットを購入したり、会員証やポイントカードになったり、さらにはオフィスのカギを開け閉めしたり……。

 iモード FeliCaの可能性は幅広いが、そのキーワードは「おサイフケータイ」。電子マネー「Edy」に代表されるさまざまなサービスを携帯ひとつに入れ込めることが特徴だ。

 SH506iCはiモード FeliCaに対応すると共に、Excel、Word、PDFといったデータファイルを閲覧できたり、スケジュールや小遣い帳といった個人情報の扱いに長けていたりと、情報管理に優れた端末だ。まずは価値ある個人情報、スケジュールと小遣い帳から見ていこう。

すぐに役立つ小遣い帳──マネーカルク

 “価値ある情報を活用する”というキャッチフレーズの通り、スケジュールやお小遣い帳などが更にバージョンアップされているのがSH506iCの隠れた魅力だ。

 ぜひ使ってみたいのが「マネーカルク」。いわゆるお小遣い帳である。実はこの機能、シャープ製端末に以前から搭載されていたのだが、SH506iCで大きく進化した。

 使い方は簡単だ。待受画面から使った金額を入力。続いて[view]ボタンを押す。費目を選択する画面が現れるので「電車」「ドリンク」など15種類から選択するだけ。たったこれだけで、小遣い帳への入力が終了する。


さっと携帯を取り出し金額を入力。[view]ボタンを押せば小遣い帳に登録終わり。100件まで登録できる

 小遣い帳をつけていく上で重要なのは、使ったその場で簡単につけられること。分かってはいても、これがなかなか難しい。レシートを持ち帰って家でつけようとして忘れてしまう人も多いのではないか。

 携帯電話は、実は小遣い帳を付けるのに最適な機器だ。身の回りに常にあって、メインボタンであるテンキーは数字の入力に適している。電車代やジュース代でも片手でジュースを飲んだりしながら入力できてしまう。

 データは入力した日時と時間込みで登録される。集計方法は、すべての合計と月単位、指定期間の合計、残高から可能。残高というのは予算の残りのこと。例えば今月の小遣い2万円を予算として登録しておけば、残金がいくらあるかがすぐに把握できる。

 登録したデータは一覧表示させればコピーも可能。メールに貼り付けて送信すれば、PCでの編集加工や、1カ月ごとの保存も簡単だ。ちなみにマネーカルクを暗証番号によってロックすることもできる。

PDA並みのスケジュール機能

 SH506iCほど、待受画面を活用している携帯は希だろう。待受画面から「1020」と入力してみる。ここから、

  • [iモード]ボタン──電卓起動
  • [view]ボタン──マネーカルク起動
  • [サブメニュー]-[クイックアラーム]──10時20分にアラーム設定
  • 決定ボタン──10月20日の予定表示

 という機能を呼び出せる。普通の携帯では、先にスケジューラなどの機能を呼び出してから、日付を入力するのだが、SH506iCなら待受画面から簡単に指定した日のスケジュールを入れられる。

 このスケジュール機能も進化した。1つは、1日の予定をグラフィカルに把握できるようになったこと。2つ目は、複数日にまたがる予定が入力できるようになったことだ。

待受画面から数字を入力。次にどのボタンを押すかでさまざまな操作が行える。電卓(iモードキー)・クイックアラーム(サブメニュー)・カレンダー(決定ボタン)といった機能に簡単にジャンプできる

1日の予定をグラフィカルに把握できる。複数日にまたがる予定も入力可能

 スケジュール機能に登録できるのは300件、miniSDメモリーカードに保存することも可能(スケジュール全件表示を行うと、miniSDメモリーカードに全件コピーできる)。miniSDメモリーカード内の予定は一覧や詳細が参照できる。

カメラ画像の保存が高速に

 SH506iCのソフトウェアは、一見したところ「SH505iS」を引き継いでいる。しかしその中身は随所に進化の跡がみられる。

 例えばカメラだ。従来から画質の良さでは定評のあったシャープ製端末だが、保存速度の遅さが弱点として挙げられてきた。SH506iCでは、シャッターを押してから次の写真が撮れるまで約8秒(2M保存・SUPER FINE・自動保存)。従来機種と比べても保存時の待ち時間は相当短縮されている。

 さらにオートフォーカスとパンフォーカスを使い分けられるようになった。美しい写真を撮るにはオートフォーカスは必須だが、ピント合わせに時間がかかりシャッターチャンスを逃す場合もあった。側面の2段シャッターボタンは、半押しでピント合わせ、全押しで撮影。中央の決定ボタンと側面の決定ボタンでは、パンフォーカスですぐに撮影が行える。[AFキー]で先にピントを合わせてから撮影も可能。シーンに合わせて使い分けられる。

 細かなところでは、ピントを合わせるフォーカスゾーンが表示されるようになった。また「万華鏡」といった珍しいエフェクトが追加され、効果を確認しながら撮影が行える。さらに「夕焼け」や「逆光」「ペット」といった10種類のシーン別撮影モードが追加されたことも挙げられる。

 左にオリジナル、右に編集後の画像を見ながら、画像を加工していいける「スピーディラボ」も改善。これまで効果を“決定”しないとどう加工されるのか分からなかったが、SH506iCではリアルタイムで加工結果が表示される。

携帯随一のカメラはシャープの十八番。202万画素CCD+オートフォーカスというスペックは「SH900i」と同等だが、液晶を反転させられる回転液晶スタイルの採用によって、2.2インチの大画面をファインダーにして撮影できるようになった

待受画面とメニューを徹底カスタマイズ

 SH506iCでは待受画面からメニュー画面まで徹底カスタマイズが可能だ。新たに9分割アイコンを使ったメニュー画面では、アイコンの画像はもちろんガイダンスボタンまで変更できる。

 さらにダウンロードや自分で撮影した画像を、アイコンや電話の発着信画面、メールの送受信画面に設定可能だ。

凝った背景画像使い、メニューアイコンを透明にしてみた。ガイダンスボタンも透明に。アイコンの位置も自由に変更できる

 メニュー画面は3種類用意されている。決定ボタンを押してメニューを表示したら、[iモード]ボタンを押すたびに、「TOPメニュー」-「ショートカットメニュー」-「ズームメニュー」が切り替わる。

左からTOPメニュー、ショートカットメニュー、ズームメニュー。ショートカットメニューは9アイコン×2画面で18個登録可能。登録したい機能にフォーカスを当てて[View]ボタンを長押しすれば登録できる。ズームメニューは、電話機能やカメラなど、基本的な操作を大きな文字で表示するメニューだ

 操作上の強化点は大きく2つ。1つはアイコンの配置を変更できること。TOPメニューの中央は、デフォルトでは「ライブラリ」だが、例えば「ツールメニューのほうをよく使う」なら、アイコンの位置を入れ替えられる。2つ目は、最後に使ったメニューを記憶してくれることだ。これまではズームメニューを使うには決定ボタンを長押しする必要があったが、SH506iCでは最後に使ったメニューがズームメニューであれば次からはズームメニューが最初に表示される。

 ビジュアル面と操作面の両方で、思い通りのカスタマイズが図れるわけだ。

キー一発で機能呼び出し〜サイドボタンへの割り当て

 使い勝手のいい携帯というものは、初めて使う人が迷わないメニュー体系になっていると共に、慣れた上級者が面倒なステップを踏むことなく目的の機能を呼び出せるようになっているものだ。

 SH506iCは、ショートカットメニュー内の機能をサイドの方向ボタンに割り当てられる。例えば、メモ帳とアラームとバーコード読み取りとスケジュールを割り当てる──といった具合だ。

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