ニュース
2005/02/15 20:36 更新


携帯の使いやすさとは何か〜「A5509T」開発陣に聞く

大きな画面、大きなキー、130万画素カメラ、20Mバイトの内蔵メモリ、大きな文字──。A5509Tは、“携帯初心者に使いやすく”というアプローチが隅々まで行き届いた端末だ。東芝が考える“使いやすさ”とは何か、それをどのような形で端末開発に反映させたのかを開発陣に聞いた。

 A5509Tは、KDDIが“携帯初心者にも使いやすく、楽しい携帯”と定義する、「フレンドリーデザイン」携帯として生まれた。

sa_tt1.jpg
 フレンドリーデザイン携帯の「A5509T」。特徴の1つは打ちやすさに配慮した「ドームキー」

 文字入力に不慣れなユーザーにも使いやすい、大きなダイヤルキー、2.4インチと大型のメインディスプレイ、雑踏でも相手の声を聞き取りやすい「でか受話音量」、アドレス帳や着信表示を44ドットの大きな文字で表示可能な「でか文字」──など、初めて携帯を使う人に配慮したさまざまな機能が搭載されている。

 東芝がフレンドリーデザイン携帯の開発で目指したのは、“親が子に、子供が親に勧められる携帯”だと、東芝モバイルコミュニケーション社モバイル国内営業第一部の東條正勝氏。使いやすい端末作りへのこだわりについて聞いた。

sa_tt2.jpg
 デザインコンセプトはフランス語の「BonPop,BonGenre」。上品で気取らないお洒落をイメージした

押しやすく疲れにくい「ドームキー」はこうして生まれた

 A5509Tには、独特のダイヤルキーが搭載されている。大きなキーが隙間なく敷き詰められ、その中央が盛り上がっている。打ちやすさと疲れにくさにこだわった「ドームキー」だ。

 「携帯電話のどこが不満なのかを聞くと、キーの打ちにくさを挙げるユーザーが多い。まずは、ここにこだわった」(東條氏)

 キーのサイズをできるだけ大きくするため、キーの間にあるパネルの支え(桟)を取り外し、タイルのように敷き詰める方法を採用した。しかし2つの課題が残ったと東條氏。「1つは強度面、もう1つはキーがはがれやすくなってしまう点だ」

 多くの端末には、キーとキーの間に桟が通してあり、携帯電話にかかる圧力に耐えられるが、桟がないA5509Tでは従来機ほどの剛性を確保できない。そこで採った方法は、力の逃し方を工夫して強度を確保するというものだ。「ボディの厚みを増やさずにボディの強度を高められる」。キーをはがれにくくするためには、両面テープを使うことで対応。「ずれたりはがれたりしにくいようになっている」

sa_tt3.jpg
 左がA5509Tのドームキー。右がA5504Tのダイヤルキー。通常のダイヤルキーは、キーとキーの間に桟があるため、キーが小さくなってしまう。A5509Tは、これを取り払ってダイヤルキーの面積を大きくしている

 キーの中央を盛り上げたのは、フラットなままではキーとキーの境目が判別しにくいからだ。「触った感触で、異なるキーだと分かる必要がある。多様なユーザーのためにも、こうした仕組みは重要」

 盛り上がったキーの高さも、人間工学に基づいて調整されている。「高すぎると、キーを押したときに、力が分散して逃げてしまう。押しやすさとのバランスを考えて、最適な数値を出している」(同)

sa_tt4.jpg
 キーの盛り上げ具合は、押しやすさを考慮した最適な数値に基づいて設計。ソフトキーや方向キーも同じアプローチで作られている

 ドームキーの形が決まった後にも、打ちやすさへのアプローチは続いた。「キーのクリック感や打った際の押し込みの重さが異なる試作機を何種類も作って、どれが一番使いやすいかを調査した。キーの縦だけに両面テープを貼った場合、横だけ、何も貼らない、全面に貼る──これだけでも押した感覚は変わってくる。ほんのわずかの違いだが、押した感覚は確かに違う」

 押したときのクリック感を出そうとすると、キーを押すために要求される力が大きくなる。A5509Tでは、「クリック感を犠牲にしても、キータッチを軽くする」ほうを選んだ。「女性ユーザーを集めて試してもらったところ、多くがクリック感より軽さを選んだ。『長時間打っても疲れない』という意見が大半だった」

 こうして誕生した「ドームキー」は、これまでにないキータッチを実現している。店頭で触ってみると、その打ち心地に驚くはずだ。

sa_tt6.jpg
 マクロ切り替えスイッチや、サイドキーも盛り上がったドームキー

必要最低限の機能を集めただけではない〜スマートモード

 携帯を初めて手にするユーザーに便利なのが、必要最低限の機能だけを集めた「スマートモード」。自分に必要な機能を把握したり、使い方を覚えるまでのサポート役として役に立つ。A5509Tは、着うたやメガピクセルカメラ、EZナビウォークなど、ハイエンド1X端末の一通りの機能は備えているので、“慣れたら通常モードでフル機能を使う”といったことも可能だ。

sa_tt5.jpg
 左がスマートモード、右がノーマルモード。メールキーを押した後のメニューも大きく異なる

 スマートモードの操作は通常メニュー時と異なり、簡略化されている。メール入力やアドレス帳登録はウィザード形式になっており、端末の指示通りに入力すれば、一連の操作を行える仕組みだ。

 メールやアドレス帳登録の際にはディスプレイの上部に、一連の操作フローが表示される。「今、自分が何をしているのか、あと何をすれば操作が完了するのかが、フローの表示で把握できる。ユーザーの心理的な負担を軽減できる」

sa_tt7.jpg
 アドレス帳登録画面。画面の上にあるオレンジ色の帯の部分が作業フロー。あとどれくらいで操作が完了するのかが分かる。メールアドレスの入力は、送受信履歴からの引用が可能だ

 スマートモード時に「長押し」が効かないようになっているのも、使いやすさへのこだわりだ。「携帯電話を使い慣れていないと、普通に押したつもりが長押しになってしまうことがある。長押しで予想しない機能が起動すると、操作に迷ってしまうので、長押しの概念をなくした」

sa_tt8.jpg
 雑踏で通話の声が聞こえにくい時、方向キーの上を押すと、受話音量が大きくなる「デカ音量」。かなり大きな音になるよう設定されており、相手の声が聞き取りにくい場合にも便利(左)。アドレス帳の表示は44ドットの「デカ文字」での表示に対応する(中)。発話キーを押すと、現れるのがワンタッチダイヤル。あらかじめ登録した3人に、簡単操作で電話をかけられる

小さい工夫の積み重ねが使いやすさにつながる

 こうした工夫はA5509Tの一部に過ぎない。「小さな工夫の積み重ねが使いやすさにつながってくる」というのが東條氏の考えだ。「実際に使ってみて、使いやすさを実感してもらえれば、口コミで広がる。人から人へとつながっていく携帯──。それが“使いやすい携帯”なのではないか」

 A5509Tの購入特典付きキャンペーンを実施中。キャンペーンの詳細はこちらから

[ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!