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2005/02/25 18:38 更新


カチッ、クルッ、パタンでテレビが起動〜テレビ生活を変える「V603T」

ただ携帯にテレビを乗せるのでは面白くない。見たいときに手軽に起動させるにはどうしたらいいか──。そんな開発陣の思いから生まれたのが、「V603T」の360度回転ヒンジだ。

sa_t00.jpg  「V603T」は、一見すると普通の折りたたみ端末。でも、端末を開いた後がちょっと違う。ヒンジ脇に設けられた「ロック解除ボタン」を押して、液晶部が反り返るようにさらに180度回転させると、通常と逆向きに折りたたまれた状態になる。それと同時にテレビが起動。見たいときにすぐ、横全画面でテレビを視聴できるのだ。

 ボーダフォンからは既に、アナログテレビを視聴できる端末がいくつも登場している。ただテレビ機能を載せるだけでは面白くない、“携帯+テレビ”を生かすにはどうしたらいいのか──。独特の回転機構が生まれるまでを、東芝の開発陣に聞いた。

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フラットでスクエアなデザイン、ポップなカラーリングの「V603T」

見たいときにすぐテレビ──を、どう実現するか

 携帯でテレビを見るときに、どういう形が最適なのか、見たいときにすぐ起動できるスムーズな動作はどういうものなのか──。「テレビを見る」ことをメインターゲットに据えたV603Tの開発は、こうした課題への取り組みから始まった。そして、その回答として東芝が提案するのが「360度回転ヒンジ」だ。

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 端末を開いた状態で側面の「ロック解除ボタン」を押す。すると端末が反り返るように回転し、背面が液晶、底面がダイヤルキーという状態になる。この形になると同時にテレビが起動する

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 横全画面での閲覧時には、上下キーでチャンネル変更やボリューム調整が行える。チャンネル変更はサイドキーの短押しで、ボリューム調整は長押し。TVキーを押すと、テレビ関連の機能を集めたメニュー画面が表示される。テレビ録画は、256MバイトのminiSD™カードを使うと、約80分までの番組を録画できる

 カチッ、クルッ、パタンでテレビが起動する──。そんな360度回転ヒンジの特徴は、動作が折りたたみ型の延長線上にあることだとモバイル国内営業第二部の伊藤浩二氏。「テレビを見ることを考えると、回転2軸ボディの“開いてひねって閉じる”という動作より、端末を開いたそのままの流れで使えるほうがスムーズでスピーディー。普段は使い慣れた折りたたみ型で使えて、テレビを見るときはこのまま開くだけ、という手軽さを付け加えたかった。またこれまでにない形という点が、新しさをアピールできる」

 新しい形ということで、これまでにない開発上の苦労もあったと伊藤氏は話す。「普通に折りたたんだ状態の背面と底面をフラットな形にしておかないと、TVビュースタイルにしたときに、がたついて安定が悪くなる。そうなると、アンテナやチューナーなど増えた部品や大きな部品を、端末の盛り上がったところに入れ込む、といったことができない。フラットな形の中に部品をうまく配置するのは大変だった」

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 背面にあるスピーカーは、テレビ閲覧時には内側に隠れてしまう。この状態でも音が抜けるようにクリアランスを設けている

 電波の受信を安定させるのも、課題の1つだった。「テレビを見られるのがポイントとはいえ、肝心の携帯電話としての性能が安定していなければ意味がない。どのような形で使っても同じアンテナ性能を得られるようにするのは大変で、技術陣が苦労したところ」

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 V603Tはアンテナ内蔵端末。携帯電話のアンテナは、下筐体のヒンジ部付近の赤外線寄りの部分と上筐体の先端部分に装備。テレビのアンテナは上筐体のカメラ付近に入っている。イヤホンのケーブルもアンテナを兼ねる

充電台やイヤホンも工夫

 V603Tは、本体だけでなく付属品にもこだわった。充電台は、横置きするとちょうどいい角度でテレビを閲覧できる“テレビの置き台”の役割も果たす。「台の角度にもヒミツがあります」と話すのは、デザインセンターで情報機器デザイン担当の主務を務める中野展子氏。

 「人間工学を専門にしている部署で、最適な角度を検証している。一般的な高さの机や椅子を用意して、背が高い人や低い人、男性や女性、若い人から年配の人──といったさまざまな被験者から、どの角度なら見やすいのかをヒアリングした」

 その結果、出てきたのが51.7度という傾き。「この角度が決まってからも、同じようにテストしたが、どんな人でも心地よく見られるという結果が得られた」

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 充電台には“テレビの置き台”という、もう1つの顔がある(左)。「じっくり見るときには、端末をすわりのいい状態で置きたい」というユーザーの要望に応えた。なお、充電しながらのテレビ閲覧はできない(右)


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 リール式式アンテナには、ストラップホールやクリップが付き、カバンや服などに取り付けやすい。端子やイヤホン部分を保護する機構も付いている

 イヤホンアンテナをリール式にしたのにも理由がある。「これがカバンの中で絡まったりすると、面倒になって持ち歩かなくなり、だんだんテレビを見なくなってしまう。移動先でもテレビを見られることがポイントなのに、これでは搭載した意味がない」(伊藤氏)

 「いかに持ち歩きやすく、使ってもらえるものにするのかがポイントだった」というリール式イヤホンアンテナは、引き出すと長さが固定され、少し引っ張って戻すとケーブルが巻き取られて収納部に収まる。ストラップホールも付いており、着脱式のストラップでカバンに付けて、テレビを見るときにさっと外して使う──といった使い方も可能だ。

「着うた®」もテレビも楽しみたいユーザーのために

 V603Tのメインターゲットは高校生だと伊藤氏。「携帯電話にどんな機能を乗せてほしいかという調査を定期的に行っているが、一番多いのがテレビ機能。さらにターゲット別に深く調査すると、高校生のニーズがダントツで高い」(伊藤氏)

 ほかの世代にしても、パケット対応+テレビ機能を求めるユーザーは多く、ニーズはあると見ている。「テレビ付きの『V401T』ユーザーに欲しい機能を聞くと、パケット通信や『着うた®』対応を望む声が多い。『V601T』などのパケット対応機のユーザーは、テレビ機能が欲しいという。2004年の夏にハイエンドPDC向けに始まった新サービスと、テレビ機能が一緒になった端末はまだ出ていないので、まだまだニーズは残っている」

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 端末を開くと、色や質感が異なるツートンのパネルが互い違いに並ぶデザインだ。「フレームとパネルの中にカメラやLEDがリズム感を持って並ぶようにデザインした」(中野氏)


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 ダイヤルキーも比較的大きなものを使い、打ちやすさに配慮した。「コンマ数ミリで、太鼓状に盛り上がって打ちやすい。[5]キーだけは、触れてそれと分かるように、へこませている」(中野氏)


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[ITmedia]

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