次のフェーズで“携帯からのみアクセス”するユーザーも視野に──グーグルの徳生氏:モバイルGmail登場
グーグルは4月10日、同社のメールサービス「Gmail」を携帯電話による閲覧に最適化した「モバイルGmail」を提供開始した。今後は、携帯ユーザーの約23%を占める“携帯のみのユーザー”にフォーカスしたサービスも提供したい考え。
PCで利用しているGmailをケータイで──。グーグルが「モバイルGmail」サービスを提供開始した(4月10日の記事参照)。対応端末は、XHTMLもしくはCHTMLに対応し、SSL通信をサポートするiモード、EZweb、Yahoo!ケータイ対応端末。ウィルコム端末については「対応を検討中」(ビジネスプロダクト マネージャーの石原直樹氏)としている。
モバイルGmailは、PC向け無料メールサービスのGmailを、携帯電話に最適化したユーザーインタフェースで提供するもの。PC版Gmailのスレッド表示や検索機能、2Gバイト超のデータ容量、Gmailから他のメールアドレス/他のメールアドレスからGmailへのメール転送、ウイルス/迷惑メール対策などの機能はそのままに、携帯で利用しやすいユーザーインタフェースを実装した。なお、モバイル版Gmailはメールアカウント作成機能には非対応となる。
モバイル版の特徴として挙げられるのは(1)オートログイン機能(2)添付ファイル閲覧機能(3)PC版との同期(4)各種端末への表示の最適化(5)広告の非表示など。
オートログイン機能は、初回に一度IDとパスワードを入力すれば、2回目以降は「オートログイン」ボタンを押すだけでアクセスできる機能。ドコモ端末は端末固有の製造番号を送ることで、au、ソフトバンク端末はブラウザのキャッシュを使うことで実現している。
添付ファイル閲覧機能は、Gmailに添付された画像ファイルやPDF、Word、PowerPoint、HTMLなどのデータを携帯で閲覧可能にするもの。大きな画像は携帯向けの小さな画像に自動変換され、PDF、Word、PowerPointなどのデータはテキストデータに変換するので、比較的軽いデータ容量で各種データを確認できる。
PC版との同期は、PC版/携帯版のどちらからアクセスしてメールを読んだ場合でも、一方で既読になったものはもう一方に反映されるといった一元管理への対応。また、PC側で付けたラベルやスターがモバイル版にも反映されるため、必要な情報を探しやすいという。なお、現バージョンのモバイル版は、ラベル付けには非対応となる。
PC側で付けたスターも表示(左)。詳細表示でカスタマイズすると、ラベルを付けたメールにすばやくアクセスできる。ラベルは1つのメールに複数設定することも可能だ(中)。メール内検索にも対応(右)。石原氏によると検索結果には、Googleトークの過去ログも表示されるという
“携帯のみからアクセスする1900万人”もターゲットに
Google本社からビデオカンファレンスシステムで参加したグーグル シニアプロダクトマネージャーの徳生健太郎氏は、PC版でもモバイル版でも、「“すぐアクセスしたい情報は何か”を考えてサービスを提供するのは同じ」と説明。急成長するポータブルデバイス向けサービスでも、それを考えた延長線上のサービスを提供するとした。
また日本市場においては、インターネットへのアクセス手段が“ケータイのみ”というユーザーが、全ユーザーの22.5%に上り、約1900万人もいることに触れ、こうしたユーザーに向けたサービスも重要だと指摘。今回のモバイル版Gmailは、今までPC版を使っていたユーザーがどこからでも便利に使えるサービスを目指したが、次のフェーズでは、携帯のみからインターネットにアクセスするユーザーに向けたサービスも提供したいと述べた。
今後のモバイル向けサービスでは、ユーザーの声を聞きながら、より便利な情報を提供するとともに、必要な情報にたどり着くまでのクリック数やキーの入力数を減らすなど、よりユーザーの接点に近いところにあるサービスを提供したい考え。「モバイルでこそ価値のあるサービスの開発と提供を目指す」とした。
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