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KDDI、auエリアの復旧を宣言――基地局電源の24時間化や音声ファイル型メッセージサービスの提供も
KDDIは、東日本大震災で被災した東北3県のauエリアを6月30日までに復旧させた。今後の災害対策として非常用電源の増強や基地局電源の24時間化を図り、ユーザー向けには音声ファイル型メッセージサービスの導入や、緊急地震速報対応機種の拡大を進める。
KDDIは7月1日、東日本大震災で被災した岩手県、宮城県、福島県でのau携帯電話サービスエリアを、6月30日までに復旧させたと発表した。
KDDIでは、当面のカバーエリアを復旧させる暫定処置を4月末に完了させ、9月末を目処に震災前のエリア品質に復旧させるとしていたが、当初の予定から3カ月前倒しで復旧を完了。なお、復旧の対象に東京電力福島第一原子力発電所付近の制限地域は含まれていない。
KDDIでは今後も東北地方のエリア対策を進めると同時に、今後の大規模災害発生に備えて設備対策を次のように強化する。
- 移動電源車と非常用発電機の配備数を現在の55台から130台に増強し、基地局など通信設備やユーザーへの電源供給を迅速に行う。
- 非常用無線エントランス設備を、現在保有する40区間分から60区間へ追加配備し、災害時に固定回線が被災しても、携帯基地局と交換局間の通信を確保できるようにする。
- 衛星エントランスを搭載した車載基地局を現在保有する15台から20台に増強するほか、衛星・無線エントランスの双方を搭載可能なキット型可搬基地局を新規に27台配備する。
- 2012年度末までに、約2000の携帯基地局に24時間以上稼働可能なバッテリーを備える。
また災害時における利便性の向上を目的に、スマートフォン向け災害用伝言板の使い勝手を改善するほか、災害時のメール疎通の強化、音声ファイル型メッセージサービスの導入、緊急速報メール「災害・避難情報」対応機種の拡大を図るとしている。
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