設定は超簡単、すぐに使える! でも落とし穴も!?:「Windows Phone IS12T」ロードテスト
iPhoneでもAndroidでもない、第3のスマートフォンとして登場した「Windows Phone IS12T」。ロードテストの第1回は既存のケータイ、スマホからの乗り換えとアカウントの設定方法をチェックしていこう。
富士通東芝モバイルコミュニケーションズが手がける国内初の「Windows Phone」であると同時に、あれだけAndroidを推していたauから発売されたことも話題の「Windows Phone IS12T」。筆者も発売当日に早速購入したのだが、幅約59ミリ×高さ118ミリ×厚さ10.6ミリの防水仕様ボディは、実際に手にしてみるとかなりコンパクトで握りやすい、ちょうどいいサイズ感が好印象。また、すでにさまざまなメディアで報じられているように、スクロールなどの操作性が非常になめらかで、「iPhone」や「INFOBAR A01」にも通じる、五感の響くスマートフォンだと感じている。
一方で、これまでにない新ジャンルのスマートフォンだけに、「@ezweb.ne.jp」のEメールに対応していない(10月初旬対応予定)、Cメール(SMS)は受信だけで送信ができないなど、思わぬ制約も多い。と聞くと、ケータイや他のスマートフォンからの乗り換えが大変そうに思えるかもしれないが、普段からGoogleなどのクラウドサービスを活用している人なら、とても簡単なステップですぐに使い始めることが可能だ。まずは、アドレス帳の移行手順から紹介していこう。
ケータイやスマートフォンからのアドレス帳移行
IS12Tへのアドレス帳移行には3つの方法があり、auケータイから機種変更する場合や、筆者のようにすでにGmailなどのサービスにアドレス帳が集約されている場合は、とても簡単なステップで移行することができる。
auケータイの場合は旧ケータイ側であらかじめ「au one アドレス帳」にアクセスして、アドレス帳のデータを保存。IS12Tから「Marketplace」にアクセスし、「アドレス帳移行ツール」をダウンロード。このアプリ経由で「au one アドレス帳」にアクセスし、データを取り込めばOKだ。一旦auのサーバにデータ預けて、それをダウンロードするだけなので難しいことは何もない。
アドレス帳のデータがすでにクラウドサービス上にある場合は、さらに少ない手間で移行が可能だ。たとえば筆者はGmailの連絡先にアドレス帳を集約しているのだが、この場合、IS12TにGmailのアカウント設定をするだけでサーバーと同期、すぐにアドレス帳が使えるようになる。
一方でやや面倒なのが、他社製のケータイやスマートフォン、同じauのスマートフォンから乗り換える場合。アドレス帳データを一旦microSDに保存し、auのサイトからダウンロードできるPC用の「アドレス帳変換ツール」を使って、保存形式を変換。このデータを「Windows Live」のHotmailのアドレス帳にインポートした上で、IS12Tと同期させるという流れになる。
auのサイト(http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/smartphone/guide/index.html#is12t)から「アドレス帳変換ツール」(Windowsのみ対応。32bit版推奨)をダウンロードし、micoroSDに保存したvCard形式のアドレス帳データをcsv形式に変換する
データをHotmailにインポートするまでがかなり面倒だが、そこから先は、先ほど紹介したGmailの連絡先を同期する方法と同じ。端末にWindows Liveのアカウントを登録するだけでいい。IS12Tに登録可能なクラウドサービスのアカウントは、Windows Live、Googleのほかに、FacebookやTwitterなどがある。登録するとFacebookの友達やTwitterでフォローしている人もみんな同じアドレス帳に統合することができる。これはiPhoneやAndroidにはない、Windows Phoneならではの機能と言えるだろう。
なお、先ほどから分かりやすいように、敢えて「アドレス帳」という言葉を使ってきたが、実はWindows Phoneにはアドレス帳という名前の機能はない。代わりに用意されているのが「People Hub」。これはアドレス帳とSNSアプリを合わせたようなもので、連絡先リストから相手を選ぶと電話やメールはもちろん、直接Facebookのウォールに書き込んだり、Twitterでメッセージを送ったりすることができる。さらに相手ごとに、これらのやり取りの履歴を一覧することも可能だ。
アドレス帳とSNSでのコミュニケーションを統合したものといえば、「Xperia」シリーズのTimeScapeや、auスマートフォンにプリインストールされている「Jibe」を思い出す人もいるだろうが、Windows Phoneの場合はアプリではなく、OSに標準でこうした機能が組み込まれている。People Hubについての詳細は次回に譲るが、例えば写真なども直接SNSと連携していて、友達がFacebookで共有している写真を、IS12Tで撮った写真と同等に閲覧できるようなしくみになっている。
アカウントをどんどん登録していくと、ケータイやスマートフォンから移行したアドレス帳データ、Gmailの連絡先に登録されているデータ、Windows Liveのアドレス帳に登録されているデータ、Facebookの友達データ、フォローしているTwitterアカウントがすべて、People Hubの連絡先リストに統合される。ただしFacebookの友達登録や、Twitterでフォローしている相手が多い人は、これらすべてを連絡先リストに統合すると大変な数になってしまうので注意が必要だ。
実は筆者も最初、何も考えずにどんどんアカウントを登録していたら、連絡先リストの数がものずごいことになり、本当に連絡を取りたい相手が探しづらくなるという落とし穴にはまってしまった。設定で連絡先リストに表示するアカウントが選べるようになっているので、特にTwitterは外しておいた方がいいだろう。なお、連絡先リストからTwitterを外しても、新着情報にはフォローしている相手の最新のツイートを表示することができる。
Gmailのアドレス帳に登録している人で、なおかつFacebookでも友達登録している人など、同じ相手は自動的に連絡先がひとつにまとめられるようになっているのも、Windows Phoneの優れた点のひとつ。中にはうまく統合されずに、同じ名前が2つ3つ並ぶケースもあるが、その場合も手動で“名寄せ”できるようになっている。アドレス帳をあちこちにバラバラに登録している人も、Windows Phone上で一元化できるのが便利だ。
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