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Xperia Sにない新しさとは――Sony Mobileブースで「Xperia P/U」に触れたMobile World Congress 2012

MWCのSony Mobileブースでは、新たに発表された「Xperia P」と「Xperia U」が主に展示されていた。スペックの高さはXperia Sに譲るが、SにはないPとUならではの魅力を感じられる。2モデルの特徴や2012年のテーマなどを聞いた。

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 Sony Mobile Communicationsブースでは、新発表された「Xperia P」「Xperia U」を展示するほか、音楽、テレビ、ゲームなどソニーグループ製品との連携を生かしたデモも実施していた。

 2012年のXperiaシリーズは、先述した2機種が発表されたことで、Xperia S/P/Uの3モデルがそろった。フラグシップモデルの「Xperia S」は1月のCESで発表されたので、他社の発表内容と比べるとスペック面のインパクトは薄いかもしれないが、単なる“スペック違いのモデル”ではない。Xperia Sとは異なるPとUの見どころをチェックした。

photophoto Ericssonと同じホールに設置されているSony Mobile Communicationsのブース(写真=左)。左から「Xperia S」「Xperia P」「Xperia U」(写真=右)

 写真からは分かりにくいが、Xperia Pのボディにはアルミニウムが使われている。通常、アルミを使った端末は重くなりがちだが、Xperia Pでは120グラムという軽量ボディを実現。「アルミを薄く削ることにこだわった。これは技術というよりは開発者の熱意によるところが大きい」(説明員)という。サイズは59.5(幅)×122(高さ)×10.5(厚さ)ミリ。細部のパーツにもこだわり、例えばボディを留めるネジのデザインは50種類の中から選んだという。ディスプレイ下にはXperia Sでもおなじみの透明素材「Floating Prism」を採用している。単に透明にしたのではなく、通信用のアンテナが透明部分に内蔵されているのも特徴だ(Xperia Sも同様)。またカメラの近くにある切れ目の周囲にはNFCのアンテナが内蔵されている。「Floating Prismがただ透明なだけでないように、デザインに“遊びのみ”の要素はなく、すべてのパーツに意味を持たせるようにしている」とExperience Plannerの石田真衣子氏は説明する。商品名のPは「精密さ」を意味する「Precision」から取ったという。

photophoto ボディ全体にアルミを採用したXperia P。ディスプレイはQHDサイズ(540×960ピクセル)の4インチ液晶。Xperia Sと同じく、ブランド名は「SONY」となっている
photophotophoto 上端部にあるイヤフォンジャック(写真=左)。スピーカー、電源キー、音量調節キー、カメラキーなどが側面にある(写真=中)。ネジの選定にもこだわった(写真=右)
photophoto カメラ付近のスリット周辺にNFCのアンテナがある(写真=左)。透明素材「Floating Prism」の上にセンサーキーがある(写真=右)
photophoto 金属ならではの素材感を得られる。裏面はやや角ばっている(写真=左)。Xperia NX(右)よりは少し小さい。Xperia NX(S)とUのちょうど中間ほどのサイズだ(写真=右)

 Xperia Pのもう1つの特徴が、ディスプレイに採用した「WhiteMagic」技術だ。この技術では、ディスプレイのRGBに白を混ぜることで輝度を上げられる。「従来機種の2倍明るくなる」(説明員)といい、太陽光のある屋外などでの視認性が向上する。実際に「Xperia NX SO-02D」とXperia Pに同じ写真を表示させて照明の当たる場所に並べたところ、Pの方が視認性が高かった。液晶のバックライトには影響しないので、同じ明るさならXperia Pの消費電力は他機種の半分で済む。バックライトがそれほど必要でないときは輝度を自動で落とす設定も用意した。このWhiteMagic技術はデジタルカメラへの採用も想定しており、携帯電話(スマートフォン)での採用は初めて。Xperia S/NXにも採用してほしい技術だが、「Pの4.0インチ液晶に搭載するのが一番フィットすると考えた」(説明員)とのこと。

photophotophoto 上がXperia NX、下がXperia P。Pの方がより明るく写真を表示できていることが分かる(写真=左、中)。明るさを自動調節する設定や消費電力を抑える設定を用意(写真=右)
photophotophoto Xperia Pには卓上ホルダも用意される。この卓上ホルダにはMicro HDMIやMicro USB端子があり、テレビやキーボードなどと連携させやすい。テレビとHDMI接続した卓上ホルダにXperia Pをセットすると、自動で専用UI「TV launcher」が起動する

 Xperia Uは54(幅)×112(高さ)×12(厚さ)ミリ、110グラムという、Pよりもさらに小型軽量のボディが特徴だ。SとPに比べるとスペックは抑えられており、「より低価格で販売される」(説明員)。例えばカメラは裏面照射型CMOSセンサーではなく、ディスプレイは3.5インチ(480×854ピクセル)と小さい。もちろんボディが小さいだけでなく、PやSにない味付けも施した。透明パーツのFloating Prismは同じだが、Uではギャラリーの写真やミュージックプレーヤーのジャケット写真の色によって、Floating Prism内のLED色も変更される。画面の色を抽出するエンジンを載せることで実現したという。LEDは最大7色あり、画面のテーマ(スキン)として用意されたものと同じだ。また、透明パーツ下の外装を取り外して交換ができるのもUならでは。本体色のBlackとWhiteそれぞれに、イエローとピンクのパーツが同梱される。石田氏によると、「あなた色にしてほしい」という想いから「U」を付けたという。

photophotophoto Xperia Pよりもさらに小さい「Xperia U」。写真右はXperia NXと比べたもの
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photophoto ギャラリーの写真やミュージックプレーヤーのジャケット写真の色に合わせて透明素材内のLED色が変化する
photophoto 下部のパーツを取り外して交換できる

 Xperia P/UのUI(ユーザーインタフェース)はXperia Sと同様。現時点のOSはAndroid 2.3だが、発売と同時期の2012年第2四半期(4〜6月)にAndroid 4.0へのバージョンアップを予定している。日本での発売は「現時点では未定」とのことだが、Sony Ericssonが2011年にXperia arc/ray/PLAYと多彩なグローバルモデルを日本でも供給したことを考えると、日本投入の可能性はありそうだ。Xperia S/P/UはいずれもXperiaの「NXT」(ネクスト)シリーズに属する。ネクストというと「ハイスペック」を連想しがちだが(ドコモのNEXTシリーズとも似ている)、スペックは関係なく、同じコンセプトを有するものがNXTシリーズになるという。例えば透明素材のFloating Prismなどが挙げられる。

 このほか、石田氏によると2012年のXperiaからは使い勝手の向上にいっそう注力し、「Dynamic Simplicity」というテーマを掲げてソフトウェアを作り込んでいるという。例えばXperia Sからの新しいUIでは、ロック解除画面で左にフリックすると音楽再生用のショートカットが表示されるが、音楽再生中にスリープから復帰させると、最初からこのショートカットが現れる。「機能を誇示するのではなく、お客さんが機能を使っていることを感じさせないよう、さり気なく加えている」という。HDMI接続した卓上ホルダにXperia Pをセットすると自動でTV launcherが立ち上がるのも、さりげない配慮といえる。ちなみに、TV launcherのUIも石田氏のアイデアで実現したという。「1つ1つの機能や技術をかみ砕いて解釈し、心ときめくワクワクすつような製品を作っていきたい」との同氏の言葉から、今後の製品展開やUIのさらなる進化に期待が募った。

photophotophotophoto NFCを使った周辺アイテム「SmartTags」も展示。あらかじめ端末にタグを登録し、特定の機能やアプリを呼び出せるショートカットを登録すると、ボディ裏面にタグをタッチするだけで、その機能が起動する
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PlayStation Certified対応機器を使ったPSゲームのデモも実施。なお、Xperia S/P/Uの中でPlayStation CertifiedをサポートするのはSのみ

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